著者の自己満足のような本
★☆☆☆☆
「大崎映晋」氏による、戦前の海女の実態が書かれた本です。
結論から言うと、つまらない本です。著者の身の上話ばかりで、肝心の海女文化についての
話がほとんどありません。そもそも、自分は普段「本」と呼ばれるものは読まないので、
こういった類の「文字ばかりの本」の良さというのが理解出来ません。
さらに今回の場合、自分の期待が大いに裏切られたから、という所もあるのでしょう。
自分がこの本に期待したのは、「写真」資料であり、「文献」資料ではなかったのです。
他の方のレビューから予想した内容は、「写真がメインで、それについて著者が言及する」
ものだった訳です。本が届いてから中を見ると、文字ばかりで唖然としてしまいました。
写真もあるにはあったものの、肝心の海女さんが写っているものは全176ページ中、
たったの10ページ、見開きをそれぞれ1ページとしても12ページしかありません。
残りは全て著者のつまらない話が164ページも続くだけです。
このように良い所無しの本書ですが、自分のように購入される方も少なからず
居るはずですので、これ以上被害者を増やさないためにも、星1つとしておきます。
貴重な写真もあるが・・・
★★★☆☆
日本に海女文化があったことなど,いずれ忘れ去られてしまうと思います。その意味では貴重な文献です。ただ,散文的な印象があってちょっと損をしてます。もっと資料的な意味合いが強い方が良かったように思います。映画ロケで苦労した話とか,どうでも良いのではないかな,と。作者の思いよりも,日本の伝統の記録というものにしたほうが一般性が出たはずです。惜しい本です。
真の美しさ
★★★★★
肉迫する裸の海女さん〈人魚〉の写真と、逞しくユーモラスな海女の日常が繊細に描かれたテクストにいつしか酔いしれてしまった。なぜか?そう、ここにあるのは私たちが見失いがちな本当の美しさなのだから。女性としても、一人の人間としても、人魚たちからは尊敬に値する魅力が全方位に放たれている。ところで、大崎映晋って一体何者なんだ?カンヌ映画祭でも海女のドキュメンタリーが高評価だったらしいが…。なぜこれまで彼に光が当たってこなかったのだろう。