この朋友書店の新訂版は、1948年東門書房版を定本に、著者の手稿本にもとづき誤記誤植の訂正をしたものです（以上編集付記から）。B6版・160頁・並製・定価1500円の小冊子です。大学の教養課程のテキスト・参考書に使われているのではないでしょうか？　しばらく待てば増刷があるかもしれません。

漢文法についての研究書が全くない。句型をまとめただけの非実用的でいい加減な本は焚書にしても厭きたらないほどあるが、入門者から専門家まで利用することができる本格的な漢文法書はないのか。悩むことはない。この本があるのだから。著者の西田太一郎氏は生涯に何度も漢文法書をまとめたが、本書は最後の研究成果に、さらに著者自身が訂正を加えたものが出版されたものである。したがってこれ以上のものを望むことはできない。この本を読まないで漢文を教えている教員がいたら、大学であれ高校であれ詐欺行為というしかない。かつてZ会から『漢文法基礎』という受験参考書が出版されていたが、実はこの本の焼き直しなのである。ということは、高校や予備校の授業に満足できない高校生にもお薦めできる。騙されたと思ってぜひ多くの人に読んでもらい、さらにこの本について宣伝してもらいたい名著なのである。

同著者の『漢文の語法』に比べて,　薄くて通読がしやすい。『漢文の語法』の縮約版ではなく,　「助辞」などが解説が『漢文の語法』に比して詳しい。薄くて軽いので「本格的な漢文法」を携帯できる。

同著者の『漢文の語法』に比べて,　薄くて通読がしやすい。『漢文の語法』の縮約版ではなく,　「助辞」などが解説が『漢文の語法』に比して詳しい。薄くて軽いので「本格的な漢文法」を携帯できる。