本格的なソーシャル-ワークリサーチ本!
★★★★★
欧米のソーシャル-ワークリサーチ(SWR)の教科書は大抵が分厚く、その分、しつこいくらいSWRの基本的概念からそのさまざまな手法を丁寧に教えてくれる。しかし、日本の教科書はまずそのボリュームからして欧米に追いつくことは困難であろう。そして結果的にSWRを理解するために必要なタームを充分に網羅できず、その結果、読者は「SWRとは?」の疑問を残してしまいがちになってしまう。本書はこのボリュームにして良くここまでSWRのエッセンスを網羅しえた実に野心的な教科書といえる。事例も豊富であり、読者はSWRのコア部分を理解できるようになると思われる。著者の殆どが「アメリカ帰り」なのが癪だが、彼らにはさらに高度(大学院レベル)なSWR本を執筆してもらいたい。