仲良し夫婦と息子という家族、そしてその友人たちの繰り拡げる日常を描いたハートウォーミングな作品です。そのファッションが注目を集める三原作品ですが、ストーリーもよくできていて緻密な設定と魅力あふれる脇役たちが作品全体に奥行きを持たせています。作品はゆったりと流れるようなやさしさと奥の方にはちょっぴり哀しみをにじませていて、単純な幸せとは一味違った「ハッピーファミリー」に向けて収束、そしてラストはさわやかな読後感を感じさせてくれました。また脇に添えられたギャグが僕のツボにぴたりとはまり何度も大笑いし、そして最後にホロリとさせられる、そんな作品です。

洗練された絵柄、おしゃれなファッション、そしてうずし夫・まゆら・なるとの日比野ファミリーとうずし夫の悪友でケーキ職人の岡村を中心に、個性豊かなキャラクター達がすごく印象的で、大変センスの良い作品です。
作者の三原氏には、ぜひとも、また続きを描いて頂きたいと思います。

私自身もその一人なのですが、日比野ファミリーのような家庭に憧れる方は結構多いのではないでしょうか？

「ハッピー・ファミリー」の家庭を理想とする女の子も多いだろう。
どこから読んでも、愛が溢れているのだから。
しかし何度か読み返すうちに、ほんの少しだけ、隠し味のように
哀しい匂いがするのである。本当に魅力的な漫画である。
美麗な絵柄で建物、ファッション、小物に至るまで手が込んでいて、
ひとコマたりとも見逃せないのだ。