大学病院だけではなく，市中病院で研修医を受け入れて『教育』がおこなわれ，今後，看護師初期研修が必修化され『教育』の重要性が全国の病院で増進する時代になっている．しかしその『教育』を担当する者の拠り所は何だろう？おそらく，ほとんどは，自己の学習者としての経験に基づく『教育』と，実際に現場で教えてみて自省したことに基づいているだろう．医療者には『教育』は出来て当たり前なのだろうか？
　この本は英国ダンディー大学のスタッフが中心となって書かれたテキスト第3版である．第2版はつい最近日本語訳で篠原出版新社より『医学教育の理論と実践』として出版された．しかし2版から3版の4年間に世界の医学教育の変化を反映して，特に24章 interprofessional educaiton, 47章 giving feedbackは新たに書き加えられ，この領域の重要性を物語る．全ての章が8頁程度であるのも読みやすい．少しずつ勉強ができる配慮だ．