「全体像」の理解と、「なぜそのようなプレーなのか」の理解
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ジュニア期の指導においても大切なことだと思います。ただやみくもに「速く!」「走れ!」「速攻!」ではなく、「なぜ走るのか」「どこへ走るのか」「何の為に」「なぜ速くなのか」この部分を選手たちに説明し、理解させることで練習の効率が上がるし、上達のスピードも上がるはずです。そして「それらは自チームに、相手チームにどういう効果をもたらすのか」を選手が理解することが出来れば、体力的にきつい練習でも「もっと頑張ろう」という意欲が増すと思います。またそれ以前に「バスケットボールとはどういうスポーツか」という全体像の理解も必要です。そこからトランジションプレーの理由と効果が見えてくるからです。そこから「ではそのためにどういうプレーが必要か」という各論(リバウンディング、アウトレットプレー等)に入っていくわけです。本書に書いてあること全てを小中学生に理解させる必要もないと思いますが、指導者は理解しておくべきだと思います。そこがばっちり書いてあります。
スペースとか空間という意識は子供たちにはわかりにくいものかもしれませんが、本書に豊富なイラストを見せてあげることで感覚をつかませてあげるのも良いと思います。
誰もがバスケを語れる時代へ・・・
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他のスポーツに比べて、日本ではバスケットのおもしろさを伝える活動が遅れていた。やっとジャパンオリジナルに向けて、底辺の拡大をはかる活動が本格化したのだ。日本バスケットボール協会エンデバー委員会が編集した(この本を含む)3冊には、これまでのバスケットボール指導で必要とされかつ有効である練習方法が、かなり詳しく丁寧に記載されている。今までの指導書と違い、ジャパンオリジナルに向けての熱き想いが、ひとつひとつのドリルについての要点や改善策の説明からも、あふれ出ているように感じる。10年後、20年後、この本のおかげで、NBAの日本人プレーヤーが何人も出てくる可能性を信じたい。週末の公園には、バスケットを楽しむ子どもたちでいっぱいの未来を。