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失われた時を求めて〈2〉第一篇 スワン家の方へ〈2〉 (集英社文庫ヘリテージシリーズ)

価格: ¥980
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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個性豊かな人物たち ★★★★★
「失われた〜」は何回読み返しても飽きません。この巻では恋愛沙汰(スワン+オデット)が全面ですが、周囲の描写がこれまた秀逸。光文社は「花咲く〜」じゃなく「スワンの恋」を新訳文庫として出すべきだったのでは?
エロティシズムの匂いを嗅ぎ取ったのは「文学と悪」・ジョルジュバタイユ。確かにセックスの匂いがします。まあ官能とは性行為だけのことではないのですが。話はズレますが、バタイユは節操がないなあ。
「コンブレー」「土地の名・名」同様淡々と進んでゆきます。井上究一郎版はやや格調高かったのですが鈴木先生版はまろやかで読みやすい、という違いがあります。まあそれはこの巻に限ったことじゃないのですが。
しかも恋愛描写が古臭くない。性的描写もないのに。そこがいい。ポルノなど30ページで御免なので。
まず一巻をどうぞ。まあ、解説で述べられていることなのですが、「かじり読み」もいいでしょうね。
スワンとオデットはコインの裏表 ★★★★★
スワンって不思議な人です。どんな人とでも合わせられる。どんな人も退屈させない。だから、上は公爵から下は極フツーの人まで、どんな人にも馬鹿にされない、そして馬鹿にしない人。こんな人って本当に存在するんでしょうか?現在の日本にいたら、優れた外交官、したたかな営業マンになって成功したんじゃないかしら?そうした稀有の人材スワンが「高級娼婦」に恋をする。身持ちが悪いから?だからこそ可愛い?と評されるようなオデットに夢中になる。その理由がここに書かれています。

人は多分、自分に恋をする。自分の作り出した「フィレンチェ派」の「エテロの娘」に情熱を傾ける。彼女がいない。それだけの状況が冷静な男の頭を狂わせる。恋愛の極意が解説されています。でも、なぜオデットなのか?それはだれにもわからない。ただその後のこのふたりの行く末を辿って行くと、もしかしたら元々オデットにはスワンのようなしなやかな人材に育って行く才能があった。階級を攀じ登って、確実に誰からも嫌われないそして誰からも本気では好きになってもらえない?そういう人になって行く準備が既にあったんじゃないだろうか?と思わされます。

男と女の現実。そして真実が確実に読み取れる素晴らしい一章です。