1万6千人の笑顔に支えられ、スマイレージがメジャー・デビュー。
★★★★☆
インディーズ活動で4枚のシングルを発表し、1万人の笑顔の写真を集め、モザイクアートを完成させたらメジャー・デビュー出来るという課題を乗り越え、遂にメジャー進出を果たしたスマイレージのメジャー初シングル。
メジャー第一弾という事で、本作で初めてスマイレージを知ったという方も居るかも知れない。余計なお世話と判りつつ、スマイレージの経歴を簡単に紹介しておこう。「アンタに教えられる筋合いは無い!」とお怒りにならないで付き合って欲しい。リーダーの和田彩花を中心に、福田花音、前田憂佳、小川紗季の4人から成るスマイレージは、ハロプロエッグのメンバーとして活動を重ね、インディーズ・レーベルより「ぁまのじゃく」でCDデビュー。その後もエッグの新人公演や、Hello!Projectのコンサートで経験を積み、エッグを卒業し独立。コツコツとキャンペーン等を行い、前記にもあるが1万人の笑顔の写真を集め、モザイクアートを完成させたらメジャー・デビューという課題を与えられて写真を募集。また、メンバー自らも街頭に出向き呼びかけを行い、地道に写真を集め、真野恵里菜とのツアー最終日にて結果が発表され、最終的には約1万6千枚の写真が集まり、メジャー進出を果たした。そう今回のデビューも、「ただ待っていれば、やって来た」というわけでは無いのである。
そのメジャー・デビュー曲は、真野恵里菜との合同ツアーでも披露された「夢見る15歳」だ。インディーズ時に出た4曲は、ポップで明るい曲が多かったが、この曲では少し大人びた雰囲気の楽曲となっている。それは音楽的に言うと、歌メロとイントロ他、バックのメロディに半音階(ピアノで言うと、黒い鍵盤の部分)が取り入れられ、マイナースケールで構成されているからである。G♭のコードが多く登場するので、これが基本キーとなっていると思われるが、短音階中心という所が、この曲が「スキちゃん」等と違った感じに聴こえる要因だ。カップリング曲、「サンキュ!クレームブリュレの友情」は、過去4作に慣れ親しんだファンなら、「これだ。これだ!」と言う楽しく明るい楽曲。
どんな歌手にとっても、デビュー曲は大事な1曲である。スマイレージの場合、既にインディーズで4曲出しているので、5曲目ともなれば、今回のような少しの路線変更は自然な流れだろう。しかし、本作で一般市場へ進出し、まだスマイレージを知らない方々にアピールするには、「夢見る15歳」では少々イメージが違う気がしないでも無い。単に私自身が、「スキちゃん」「明日はデートなのに、今すぐ声が聞きたい」辺りの曲のイメージに囚われ過ぎているだけかも知れないが、スマイル+マイレージ(笑顔が、たくさん貯まるように)と命名された、このグループを紹介する名刺代わりとしては、背伸びせず、等身大で歌える楽曲の方が良かったような気がする。それはさて置き、ますます活動が活発になって行くスマイレージに注目したい。