有名都市伝説のカタログだと思えば
★★☆☆☆
日米のよく知られた都市伝説について、あらすじを書いた後に、著者の種明かしめいた解説を添えた本。都市伝説とそのちょっとした背景を知るには、そんなに悪くない本かなと思う。著者は自身をディバンカー(偽りを暴く人)を称しているが、ディバンクするなら、なぜそんな都市伝説が生じたのかを解明するのが一番手っ取り早いように思えるのに、アメリカの都市伝説ではきちんと発生源を書いているのだが、日本のものでは「そんなバカなはずはない」「〜のではないだろうか」みたいな著者の考えがメーンで書かれていて、蛇足感がある。
また、採録されている話も「オルレアンの噂」や「ミミズバーガー」など著名な話が多い割に解説が充実しているわけではないので、都市伝説が好きな人には不十分な感じかも。しかし、同じプロットでも日米両バージョンや派生形など、別バージョンがいくつも採録されているのは今までの都市伝説本にはなかった特徴といえる。自分の知ってる都市伝説のプロットが一つではなかったことに、ちょっとした新鮮さがあった。