地球を我がものにせよ!経度を明らかにした知的挑戦
★★★★☆
大航海時代から産業革命を経て、地球全体をあらゆる意味で我がものにしようとしたイギリスでは、正確なな経度を把握しようという要求が起こった。
本書は経度を測定しようとした科学と技術の物語である。やや翻訳調は気になるが、そのドラマチックな格闘の物語は興味深いものだ。意外に大発見というのは、身近な発想や道具から可能になるものであるらしい。
読みやすい
★★★★☆
正確な経度を割り出すための人々の苦闘を描いた作品。
一見難しい印象を受けるが、難解な用語を避けて、誰でも読める内容になっている点が良かった。
地図や航海術に興味がある人なら読んでみる価値はある
技術開発の勝利!
★★★★☆
クロノメータの実用化に向けての技術開発の歴史についての解説書、というより歴史書である。
初めて実用的なクロノメータを作成することに成功したハリソン氏のチャレンジものがたりを中心に、それまでの未熟な航海術の悲劇やらを詳しく紹介しているもの。
これを読むと、人工衛星でロケーションがわかるということが如何に簡便(使用者にとって)なのかが実によく実感できる。それから、技術的課題を解決するためにいろいろな方法論を持って解決を探ることが如何に大事か、ということも。
全体としてハリソン氏とその周囲の話を中心に据えているため、最終的にクロノメータが量産化されていって普及してゆくくだりは、とても素っ気ない感じにかかれているのがちょっと残念な気がする。もっともこれは量産系の技術に関わってきたエンジニアだからそう思うだけなのかもしれませんが。