試行錯誤の跡が見えるアルバムだが、タイトル曲の「BE MYSELF」や「あなたのやり方で抱きしめて」あたりが後の作品に大きな影響を与えている。しかし本作の聴きどころはずばり「わたしのえがおをさがしにいこう」である。丹下自信が作詞したこの曲のほのぼのとした世界観は彼女の素の部分にかなり近いと思われるが、その後の作品ではこの世界観が継承されることはなかった。いや、正確に言うと影響は皆無ではないが、この曲の路線をまっすぐ延長したライン上の曲は現れなかったというのが正しいだろうか。
後の作品でもっと完成度が高いものがあるが、本作はファンなら絶対に手元に持っておきたいアルバムだろう。