ユウリと日本で夏休みを過ごす為に、富士山噴火の危機の中、一足先に帰国したユウリを追って、来日したシモン。シモンを待ち受けていたのは、霊能力者として絶対的な権威を持つユウリの従兄弟隆聖とユウリの姉セイラそして・・・火に纏わる不思議な少女。
かぐや姫伝説に彩られた、美しくも雄大で危険な事件に巻き込まれて行きます。
この巻で特に強く感じたのは、ユウリと隆聖の言葉では言い表せない様な絆の深さ。それはユウリの出生の秘密にも関わっているようですが、しかしシモンも負けてはいません。アシュレイも当然の如くです。水面下で行われている彼らのユウリをめぐる攻防も見所です。

待望の新刊は前作のホミサイド・コレクションとつながってくるので、まだの方は読まれてからこの巻を読んだほうがいいと思います。今回は舞台が日本でしかも地震や噴火などが背景にあるので今までで一番身近に感じました。前から会話には出てきていた従兄弟の隆聖さんも結構早い段階で登場してきて、一筋縄ではいかない絶対的な存在感でした。お約束どおり、シモンとやっぱりアシュレイも日本にやってきて、なんと～二人とも日本語を話せるようになっていたのは驚きです！シモンの隆聖さんへの複雑な思い、シモンとセイラとのからみが印象的でしたが、私は隆聖さんとアシュレイの直接対決が見たかったです。今回は個性的な登場人物が多かったせいかユウリの存在が薄かったように思えます。