300kmの迫力に圧倒されます
★★★★☆
冬至も近い 12月中旬、博多とあっては朝の 7時はまだ暗く、出発してしばらくは、ほとんど何も見えません。しかし少しずつ明けていく東の空や、目覚めてまもない朝の街、すれ違う列車の光に感じる旅情は、300kmで疾走する〈500系のぞみ〉にあって神妙、不快には感じませんでした。博多を出発直後、同時刻発車で並走するソニックの窓の光が綺麗です。
ビコムのホームページにもあるように、カメラはかなり手前に置かれています。これはどちらかというと、500系の狭く先細りの運転室の構造上、そこにしか置けないことが原因だと思います。ダッシュボード上に置こうとすると、運転士の視界を支障する上、かなり鋭角の窓では映り込みが発生してしまいそうです (推測)。しかしこれによって、同じくビコムのホームページにあるように「運転台の雰囲気」を味わうことができるようになっているので、悪くはありません。また、実はこれが大きいのですが、速度計まで映っているので、速度がバッチリわかるようになっています。このあたりは、解像度の低い DVD版とこのブルーレイ版では評価がわかれるかもしれませんね。
もちろん、前面展望を良好な状態で純粋に楽しみたいというような方にはお勧めできません。前半は朝日の逆光も激しいです。でも、500系の運転室の雰囲気を十二分に味わいつつ、585.4km (営業キロ) をわずか 141分に走り切り、刻々と変化する風景を味わうのは、普通の展望ビデオにはない魅力だと思いますよ。
残念なのは、新神戸までの収録であること。ブルーレイなら東京までノーカットで余裕で収まるのに、と思って仕方ありません。鉄道は本来的に乗る人のためにあり (鉄道ファンのためにあるわけではない)、安全が優先されるのは当然過ぎることではありますが、もう二度と残すことのできない記録のためには、JR東海にもぜひ協力してほしかったところです。
【撮影データ】
[乗車日] 2009年 12月 18日 [天気] 曇りのち晴 [乗車列車] 500系のぞみ 6号 6A
[編成] W7編成 16両
522-7 + 527-14 + 526-21 + 525-14 + 528-707 + 527-707 + 516-7 + 515-7
+ 518-7 + 527-407 + 526-20 + 525-13 + 528-7 + 527-13 + 526-19 + 521-7
[乗車区間] 博多〜新神戸
【スペック】
本編146分 | STEREO | COLOR | 片面1層 | All Region | dts-HD Master Audio 5.1ch | 16:9 | MPEG4/AVC | 1920×1080 High Definition