味覚聴覚触覚…いろいろな感覚で手に入れた「記憶」はばらばらの場所に保管されている。それが、何かのきっかけで神経活動のタイミングが同期し、イメージが再構築される。「イメージが到来する場所、それが時間的に統合された『自己』であり、わたしたちが一体感を持っている『心』だということになる」と筆者は明快に説明する。
デジタルの時代になったからこそ「人間の知覚と記憶の秘密」が明らかになりつつあると言う。
人気の脳の世界を、絵画、写真、映像、アート、メディアなどの豊富な例で見せてくれる、刺激的な一冊である。