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年上の美囚―継母と若叔母 (フランス書院文庫)

価格: ¥730
カテゴリ: 文庫
ブランド: フランス書院
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いかにも「官能小説」 ★★★★★
麻実氏の作品では、これを最初に手に取りました。「陵辱的なのに愛がある」
そんなジレンマの成立した作風と聞いていましたが、暴力めいた行為はなく、相手の罪悪感や、隙に乗じたり、情をほだしたりしながら、絡めとっていきます。

少年とは思えない手管の主人公を駆り立てているのは、喪失感に根ざした妄執というか、偏愛というか。己の拠り所を築こうとするかのように、年上たちを籠絡していきます。
 そうした過程の組み立てが傑出しており、文章も気負ったところがなく、平易で読みやすいのに巧さが滲み出ている感じ。行間に孕まれた陰湿感が、女性の汗やら何やらの潤いを伝えてくるようで、それが緻密な淫行シーンにも彩りを添えています。

倒錯した行為を繰り返しているのに、情景描写やら世界観とあいまって甘美な雰囲気。構成のバランスも良いし、これはジャンルの好みを超えて高得点で評しておくべきでしょう。
めくるめく倒錯の世界 ★★★★☆
『この文庫がすごい!2006』(宝島社)官能小説部門・第一位獲得作品。主人公とヒロイン2人の歪んだ愛情が織りなす倒錯の世界に溢れている。タイトルで誘惑系を想像すると大変なことになる。そんじょそこらの官能小説が泣いて逃げ出すほどの複雑で緻密な構成が秀逸。叔母の企みを発端にそれぞれが胸の内にそっと秘めていた想いが交錯し、後戻りできないところまでエスカレート、最後は仕掛けた叔母自身も巻き込まれていく。叔母が点火した導火線で花火が暴発、その盛大な火の粉が我が身にも降り掛かった、という感じである。倒錯的なシーンが続く中でやはり出てきた浣腸とその後。今回は義母がぶちまけてしまう。作品のレベルは文句無しの星5つなのだが、中盤の義母がぶちまけるまでの延々と執拗に続く主人公の責めと、その後の叔母も交えた背徳の連続がどーにも共感できず義母が可哀そうになってきたので星1つマイナス。