うーん・・・
★★☆☆☆
音楽を言語化するのは無理があると思う。本人は楽しいのかもしれないけれど。
それよりもバンドの成立背景とか、当時の社会状況との関わりとかに重点を置いて欲しかった。インタビューでもいいんだけど。
著者の鑑識眼も、カン『ディレイ1968』、クラフトワーク『コンピューター・ワールド』なんかを評価していなくて、ちょっとノスタルジー入ってる感じ。
ファウストにいたっては、ただ言語化お遊戯をしているだけで、どの作品に思い入れがあるのかさっぱり見えてこない。
ディスク・ガイドとしても役に立たないし、何とも中途半端な本。
著者のフリッツ・ラング本は非常に面白かっただけに、残念。
聖典
★★★★★
ほかに1970年前後のジャーマンロック、クラウト・ロックについて詳説した単行本はなく、聖典というべき本です。万難を排して入手すべきです。
楽しんで書かれた本です
★★★★☆
19世紀的な「尊大な」ドラマツルギーに依拠した楽曲を多く指向していた70年代初頭のプログレの風潮に背を向ける形で存在していたドイツのバンドのうち、表題の3バンドについて、繰り返しの多用、ユーモア、まとまりの無さといったキーワードを用いて著者が己の偏愛を語る。一曲一曲の紹介に時には十分な頁を割き、音そのものを言語化することに著者は執着しており、対象となる曲の音源を聴かずにこの本を読み、読者それぞれが勝手に解釈して音楽を想像することも本書では推奨されている。。
とはいえ、カンの「フューチャー・デイズ」や復活したファウストに関する簡潔にして鋭い指摘などもあり、著者のセンスのよさをうかがい知ることができるであろう。