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平和構築と法の支配―国際平和活動の理論的・機能的分析

価格: ¥3,990
カテゴリ: 単行本
ブランド: 創文社
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深い政治哲学に裏打ちされた制度論 ★★★★★
本書は国際法学者などの”規範的”なアプローチとは全く異なる。国際法の教科書で出てくるような国境や海洋法をめぐる紛争と異なり、実際に戦闘が行われるまでに苛烈に激化した紛争について、その後の平和構築、法や制度をどのように構築するかという喫緊の課題に答える稀有な良書。

筆者の経歴を御存知であれば納得だが、深い政治哲学観に裏打ちされた、筆者でなければ決して書けない平和構築の方法論として必携のスタンダードな一冊。国際紛争及び平和構築に興味を持つ人々には絶対に読んで頂いて損は無い。
平和構築と国際平和活動の関係が明確に ★★★★★
 本書は第3回大佛次郎論壇賞を受賞した。平和構築という現代の国際社会が抱える課題に、「法の支配」という切り口で正面から挑んでいるのが本書だ。我が国では、平和構築に関して、ようやく理論的に整理を始めたばかりで、類書が少ないなか、本書は学術書として極めて貴重な一冊だ。さらに、平和構築の現場で、選挙支援や司法制度整備などに取り組む専門家にとっても参考になる。

 平和構築において最も重要な点は、「法の支配」に基づく社会作りを進め、暴力に拠らない紛争解決のメカニズムを確立することである。通常は、「正義と平和」といった対峙でとらえられる問題を、著者は「司法と平和」という視点で議論し、司法を個人の罪の追及、平和を社会の問題ととらえる。また、和平合意と紛争成熟度の概念をリンクさせ、未熟な段階での和平合意は平和構築の害となるといった論は説得的だ。和平プロセスの流れを、和平交渉→和平合意→平和構築と時系列的に把握するだけでなく、和平合意がない段階で進められた平和構築に関する分析も行っており大変興味深い。

よくリサーチが出来ている ★★★★☆
国際・国内紛争が増加している近年‘平和構築’という概念は開発・国際政治の世界で大きく注目を浴びている。学者の書くものは概して表面的もしくは全く的を得ていない物が多い中、この本はよくフィールドでの動向を捕らえ、大きな政治的流れともリンクさせ、かつ法の支配という平和構築の中でも根本的な課題にフォーカスしている。筆者の言うほど‘戦略’というレベルの考察にはいたっていないが、非常によくまとまっている良書。
伝統的な「平和維持活動(PKO)」から、"keeping"をとってしまって ★★★★★
もっと広範で包括的な「平和活動(PO)」の重要性が指摘されるようになってきた中、紛争地域に揺るがない平和を実現するため行われる「平和構築活動(Peace Building Operation)」が国連のみならず、日本にとっても現実の政策課題として存在していることを認識し、平和構築の現場で活躍する実務家にも有益な視点を提供しているとってもよい本です。

得てして学者先生方のこの手に関する本は、「私は『平和構築』をこのように独創的に概念規定してみました、わっはっは」で悦に入り、現場で働く者にとってお勉強にはなっても活動する上では何ら参考にならないものであったりしますが、この本は「平和構築活動」の目的実現に向けた戦略的な視点を見出そうとする観点から丁寧な論解説を進めており、好感が持てます。

紛争の最大の原因を「法の支配」の欠如という制度的な側面に見出すか、貧困という経済・社会的な問題に見出すか―著者は、制度的な側面も重視し、「平和構築」において「法の支配」を確立するという政治的な活動に注目している点も興味深い。