原作が書かれたのは1937年(昭和12年)!! しかしながらアイディア満載、次から次への危機が襲う、スピード感のある展開は全く古さを感じさせない。
本作が、これ以後の多数の作品に影響を与えたことでも本作の価値がわかる。
例えば「スターウォーズ」。他の宇宙船を捕捉するために使う「トラクタービーム」はそのまま登場したし、またスターウォーズの銀河では、様様な形態の知的生物が共存しているという設定もこの作品の影響ではないかと思う。例えば「宇宙戦艦ヤマト」での真田技術長や島航海長といったキャラ設定は本作でキニスンが指揮をとる戦艦ドーントレス号のスタッフのキャラと重なる。ヒロインのクリッサ・マクドゥガルが従軍看護婦というところも、ヤマトのヒロインと同じ・・?斧を振るって白兵戦を戦うバン・バスカーク率いる宇宙海兵隊は、「ヤマト」の陸戦隊や「銀河英雄伝説」のローゼンリッターを彷彿とさせる。言い忘れたが、古橋秀之の「サムライ・レンズマン」(お勧めです!)は本シリーズへのリスペクトに溢れる完全な後継作。(ほかに本作自体のアニメ化作品もあったが、これは無視してください・・)。
新版にあわせ、表紙が生頼範義の豪華なイラストに変わった(こういうのは是非大きな版で見たい)。旧版の表紙を飾っていた真鍋博の未来図も悪くはなかったが、ぜんぜん印象が違う。
昔の旧訳の時も食い入るように読みました。面白い、ひたすら面白い。だんだん強い敵が現れ、レンズマン側もだんだんスケールアップしていく・・・わかりやすく言えば少年漫画の連載物みたいなノリ(レンズマンファンの方ごめんなさい)。
血湧き肉躍るスペースオペラの復活を買い支えようではないか!!!