いちご100%と違って、主人公斉木には共感が持てます。
こういったラブコメでは、くっついちゃったらおしまいだから、ヒーローはヒロインの存在をうわべでも嫌がるというのは定石なのだが、問題はその主人公の行動に共感がもてるか、または現実感があるかで、いちご100%はそれに失敗している。
ただそれはある意味、この作品での成功があったからなのだろう。 りりむキッスでは斉木がりりむに憤ることに共感できる。かといってりりむに嫌悪感を抱くというわけではない。
りりむは単に常識を知らないだけで怒られたら素直に落ち込み反省するからだ。りりむが苦手な文字を覚えて斉木に手紙を出すシーンなど涙がでてしまった。
まあかなり楽しめます。

主人公、斉木貴也はどこにでも居そうなフツーの高校生・・・ではなく
ガタイがよく喧嘩無敗のルックスもいい男であり、女には目もくれない硬派少年！
りりむは、人間の生気を吸って生きる夢魔。
人を殺さない程度に生気を口づけで吸い、たくさんの日本男児共を魅了してきた。
貴也には同級生の男子は誰も敵わない！勉強、喧嘩、顔、そして運・・・
喧嘩に明け暮れながらも、困ってる人がいたら助ける！内心、人柄はとてもいい。
そんな貴也でさえもりりむの尻に敷かれて、いいように翻弄されてるから笑える！
だが、世の中には相性というものがあり、貴也とりりむはキスの相性がバッチリで
貴也の生気なしではりりむは生きてゆけない・・・くもないが
他の野郎共にりりむは渡すワケにはいかんとばかりにりりむを束縛し、守る貴也はカッコイイ！
他のヤツにはできないことで優越感に浸れます！！

ルックス，成績，喧嘩すべてにおいてかなうものがなく，クラスにおいても人気者というより単に頂点の存在として認識されている主人公。それに対して，同性である女性から，「ものすごく憎たらしいけどものすごくかわいい」と評されるヒロインのラブコメです。
主人公やヒロインに感情移入させるのがこの手の物語の基本だと思うのですが，この作品は，あくまで自分とは違うどこかの誰かに起こった出来事として読むしかありません。ラブコメの普通を期待すると見事に裏切られますが，読者に対して挑戦的な作品だと思います。その，ほかとはまるで違う作風（どこかで同じ意見を見ましたが，感情移入ではなく，自分と違う誰かの物語を読んでいるという感覚が奥浩哉さんの作品に似ています）が，何度読んでも飽きない味になっていると思います。
作者には，こういうアンチスタンダードな味わいを今後も期待したいです。

「いちご１００％」で、めちゃくちゃ評判が悪い主人公を描いている河下先生ですが、それはこの漫画での失敗があったからこそ。

この漫画の主人公の貴也は、イケメンでモテモテでも純情な女の子が好きなタイプの男の子。
こんな主人公、女性が読む分には面白い漫画ですが、もともとのジャンプ読者の男性にはまったくウケがよくありません。
というわけで、この漫画はあっさり２巻で打ち切りをくらっています。

しかし、この漫画は可愛い女の子が好きな女性が読んだら、多分とても楽しめる漫画だと思います。
よく作中でりりむが服の組み合わせを変えてみたり、レース満点の下着を広げて眺めて楽しんだりしているのですが、そのシーン＆下着のリアルな事。可愛い下着を集めるのが趣味の女性なら、きっとうきうきするシーンだと思います。（ただ、男性は全くピンと来ないでしょうが。）

また、この漫画の最終話付近のシリアスな展開も、男性よりも女性のほうが絶対楽しめると思います。
さすが元少女漫画家だけあって、とてもドラマチックです。
ただ男性が読んでもつまらないような気もします。

この漫画は少年漫画のジャンルにありながら、女性のために作られた漫画と言っても言い過ぎてないように思います。
「いちご１００％」だけを読んで幻滅した女性の方には、是非一読して欲しい作品です。

硬派で、ケンカが強く、でも頭のいい、カッコイイ斉木貴也くんと、男の子の生気をキスをして奪う、ナイスバディのカワイイ悪魔りりむの、はちゃめちゃラブコメディ♪

この連載前にやった読み切りが(１話とほぼ似た話）、人気があり連載になった一品です！
私もその一人！！

コレは見なきゃ損です(*^_^*)