脳中雷撃!
★★★★★
鬼才John Zornの楽曲を様々なアーティストがカヴァーするシリーズの第7作目。ギタリストMarc Ribotのリードを中心に、ベースにTrevor Dunn(Fantomas)、ドラムにG.Calvin Westonを据えたトリオ編成。
これぞトリオの旨み炸裂!とお顔もニヤける、電撃作戦!めいて展開する速攻のアンサンブル。空間を裂き、轟音と共に閃く稲妻のようなインプロから、邪悪なイロと共に揺れ惑うブルージーなリフの最果てまでをも高速で行き来するギターがすんばらしい!衒いの余剰がまるで無い、抜き身の狂騒が一瞬のうちに耳朶を切り裂き中枢を熱く焼いていく。ほとんど認識する以前に終わっているような、立ち上がり軋み、鳴きながら飛翔し炸裂するアンサンブルの白熱がやたらと感覚的に印象深く、アタマで理解するというより完全にカラダのほうへ作用する。
Bass/Drumの2人も場所によっては相当無茶なプレイで魅せてるが、手綱を握ってるのはやっぱりRibot。暴れ馬然とした全体を完璧に乗りこなしてる。およそ聴いたことがある中では、Psychic ParamountやCoptic Lightあたりが頭を過ぎるカオティック爆撃音ながら、ちょっとこちらはそのスキルが違いすぎるかも。超硬質かつ滑らかで哀愁にも満ちた叙情を溢れさせる、目の眩むような光速体験を可能にする40分間。ワンダフル!