日本の海の夜明け
★★★★★
明治維新の時代は、司馬史観が主流をなす感がある。しかし、庶民のことはなかなか書かれていない。そんな中、威臨丸の乗組員のドラマは大変新鮮で面白かった。中でも塩飽諸島の船乗りのことは興味が惹かれた。また、塩飽諸島の自治制度は驚かされた。日本中が封建制度の中で呻吟していたと聞いていたものとは異なり、皆が民主的に話し合いの中で行動していたことは本当に驚かされた。
明治政府の創った歴史の中で生きていることを思い、抜本的に国の在り方を再考すべきではないかと考えさせられる。海洋観光立国、お江戸観光エコシティを夢見る者にとって大変勇気づけられる本である。