レースシーンの迫力は買うが、脚本が弱い。特典は豪華!
★★☆☆☆
原作は未読なので映画のみの感想になるが、全体的に脚本が唐突である。テルが坂道を好きで、負けず嫌いが高じて自転車競技部に入るまでのシーンはとても面白いのに、弱小競技部が強豪校にすぐに並べてしまうのがまずおかしい。エースの鳩村がいても廃部寸前なのに、ロードレース素人のテルが加入しても半年やそこら戦力にはならないはずだ。ロードレースは坂道だけじゃないしね。ライバル高のユタもスポーツ紙の一面を飾るような「格」の違うスーパースターの設定だが、どうもカリスマ性に欠ける(笑)。個人主義なのは分かったが、だからチームワークを優先した鳩村に負けるっていうのもありえない場面だ。永遠のライバルみたく描かれているが、それでは何で片方が廃部なのか?プロ野球じゃあないし、大量に転校してしまった、というのもちょっとね・・・。ユタが神様みたいに速い、というシーンをもっと見せないと観客も納得できない。このあと大野組の「Go Ape」に主演する城田優も一瞬顔を見せているが、D−BOYSももう少し芝居の勉強をしたほうがいい。特にセリフ廻しはダイアログディレクターが1〜2年付くべきだろう。原田泰造はどこまでも熱く、ヒロインの南沢奈央は可愛く、柄本明も圧倒的存在感で映画を締めているのに、ちょっともったいない出来になってしまった。特典は豪華で、本編ディスクのほかに2枚が付く。メイキングや舞台挨拶がテンコ盛りで収録されており、特にD−BOYSのファンにはお勧めだ。ロードレースのシーンは迫力があったので、甘めに星は2つです。