こんな高分子の参考書を待っていた!
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私は20代の化学メーカー勤務の若手研究員です。
私は学生時代、高分子化学が専門ではなかったのですが、社会人になり、高分子関係の仕事に携わる事になりました。
巷の高分子の教科書を読んでも初心者にはとっつきにくいか、簡単すぎるかどちらかで・・・
この本のタイトル通り、私の頭の中の知識はイマイチつながってませんでした。
この本は難しい数式の導出を極力避け、なおかつ最低限知っておくべき項目が網羅されている良書だと思います。
この本を読んだ後、必要な知識を更に専門書で深めていく使い方がベストだと思います。
また、私のとぎれとぎれの知識もつなげる事ができました。
読んで行くと、重要なキーワードの横に、”このキーワードは何ページを読め” というリンクがイチイチ書いてあるところがとても親切です。この作者が、”読んでる人がどこでわからなくなるか” を熟知していることが伺えます。
私個人の感想では、本当の超初級者にはやや難しいかな?と思います。高分子を実際扱い始めて、高分子の挙動についてもっと理解を!と思い始めた方に最適ではないでしょうか。
勉強になりました.
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高分子を学んでいる者です.
授業や古典的な教科書では溶液論に重きが置かれ,実際に取り扱うバルクの高分子とのギャップがあるように感じておりました.
本書では敢えて溶液論を深く取り扱わず,主に高分子のバルクとしての性質や,合成法についてのトピックスがまとめられています.
表紙は非常にかわいらしいですが,内容はかなり詳しいところまで簡素な言葉でまとめられています.
特に,実験をしていて解釈に困り,勉強もしづらい高分子の粘弾性や散乱現象などの項目が,わかりやすく説明されています.
また,個人的には付加(ラジカル)重合の解説がどの教科書よりもわかりやすかったと思います.
実際に学生の指導に当たっておられる現役の先生方の著書だけあって,まさにかゆいところに手の届く内容だと思いました
是非ご購入ください!
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著者の一人なので公平な見方はできませんが、この場を借りてアピールさせてください。
この本を書くにあたって著者全員で考えたことは、「初学者が次のステップに進むために必要な知識を身につけられること」「初学者が陥りやすい誤解や理解するのに挫折しやすいところを中心にできるだけわかりやすい言葉で説明すること」でした。そのために一度書いた原稿を皆で何度も読み合わせして、分かりにくいところを互いに指摘し合い、より良い内容にブラッシュアップする作業を繰り返してきました。例えば物理に関連するところも化学が専門のメンバーに読んでもらって、それでも無理なく理解できるように務めたつもりです。
この本は決して高分子科学を網羅しているものではありません。ですが、著者すべてが自分が日々の研究生活で培ってきた知識を最大限に利用できる部分について書いており、そういう意味では自信をもって書いています。もちろん若い著者たちですからあるいは間違った記述があるかもしれません。その場合には是非読者のみなさまよりご指摘頂きたいと思っています。そうすることでこの本がさらに良くなっていくと考えています。それが本当の意味での「どんどんつながる」だと思っています。