立体映像関係者は必読の書
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最近は3Dに高い注目が集まり、この勢いを受けて国内でも立体映像の制作を始めた所も多い。しかしいざ3Dに取り組もうとしても、これまでは実用的な教科書が皆無だった。もちろん「立体映像…」「3D映像…」と銘打った書籍はいくつも発売されているが、どれも基礎理論だけだったり、開発中の技術を紹介するのみというのが大半で、即プロダクションワークで役立つ知識は載っていなかった。本書は、実際の現場でのノウハウを細部まで紹介している、世界でも初めての実用的な本である。著者のバーナード・メンディブルは、「ルイスと未来泥棒」や「モンスターVSエイリアン」にも参加したバリバリのステレオグラファーであり、本書にもNABやSIGGRAPHといった映像のプロ向けセミナーで発表していた最新テクニックが、惜しげもなく紹介されている。その内容は、実写撮影、CG制作、2D→3D変換、編集、上映までを網羅しており、学生からプロまで必要とされる基礎知識から、立体映画を作ってみなければ気付かない実践的情報までを扱っている。さらに紙面だけでは表現できないものに関しては、付属のDVDとWEBリンクによって補うという徹底ぶりで、これから立体映像に取り組もうと考えている人にとって必読である。