「二軸動作」を実践すると、サッカーの基本となる「走る」という行為の中に「パス」や「トラップ」あるいは「シュート」といったプレーを連続させることが可能になり、より高いレベルでプレーできる。というのが、本書の力点となっている。
サッカーを語る角度は決して悪くない。たとえば、ロナウジーニョを美しいとかファンタジーとかいう表現をする批評はいくつもあるが、その美しさに対して明確な視点をもって臨んだ稀有な例ではないか。
しかし、難点を挙げるとすれば、最後まで「二軸動作」で仕掛けてこられるので、途中の章から出方が分かってしまうこと。本の構成にも「独特なリズム」やサイドチェンジがあったほうがよかった。
しかし、世界の一流プレイヤーは、軸足に体重を残さず、
蹴り足に体重を移しながらキック、蹴り足がそのまま次の一歩となる。
流れるようなスムーズなプレーの秘密はこれだった。
軸の切り替え。「二軸動作」。
いままで日本のプレイヤーと世界の一流プレイヤーを隔てていた技術、
それを埋めるべく生まれたまさしく革命的な一書である。