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寿命はどこまで延ばせるか? (PHPサイエンス・ワールド新書)

価格: ¥840
カテゴリ: 新書
ブランド: PHP研究所
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ミトコンドリアが寿命も決める!!だからこそのご機嫌伺いなんです。 ★★★★☆
早稲田大教授で生物学者の池田清彦先生のご本でございます。
「人間にとって寿命とは何かを根源的に考える」
「平均寿命が100歳になる日はやってくるのか?」
う〜ん、なかなか魅力的なキャッチですな。思わず買ってしまいましたが、読んで見て実際良いご本でございました。

「ヒトに寿命はあるのか? じつは単細胞生物から多細胞生物への進化が、死すべき運命をもたらしたのだ。」

皆様ご存知の如く、ミトコンドリアが有性生殖、アポトーシス、進化をもたらしたのですな。それと同時に寿命ももたらした。システムの複雑化のかわりに、寿命を押し付けられた。そう、複雑化と寿命はトレードオフの関係に有るのでございます。

ミトコンドリアが寿命も決める。
ですから、健康で健やかに過ごしたい人、ピンピンコロリと逝きたい方は常にミトコンドリアのご機嫌を考えた生活をする事でございます。
それには、ミトコンドリアをいたわる極意、3つのフレームワーク。
皆様、「おおかかさま(ミトコンドリア)」を大切に致しましょう。
カロリー制限の項は少し薄い感じがしましたので星は4つですが、皆様にお勧め出来ます。
心筋細胞や脳の細胞の寿命は120歳なので,どんなに頑張っても,人間はそれ以上は生きられない。 ★★★☆☆
 タイトルに惹かれて購入した。私は,生物専攻ではないので,DNA とか遺伝子などの詳しいことはわからない。だから,この本を読んで自分がどれだけ理解できたのかは,甚だ疑問ではある。しかし,敢えて理解したことを書くと,次のようになる。

1.心筋細胞や脳の細胞の寿命は120歳なので,どんなに頑張っても,人間はそれ以上は生きられない。
2.ガンやその他の病気が完全に治療できるようになっても,上記の理由から,人間の最高寿命は延びない(平均寿命は上がるかもしれないが)。
3.現在の予防医療は,すべての人が同じ体質を有しているとの前提の下で行われているが,将来的には個々人の遺伝子を解析して,それぞれの個人に対して最も効果的な予防法を施すといったオーダーメイド予防が主流になるであろう。

 以上である。私にとってとても考えさせられたのは,1.である。つまり,どんなに医学が進歩しても,個体の人間の生命は120年が限界であり,しかも細胞はそうなるようにセットされている。それは,生物学的に傷ついた遺伝子を修復するよりも,新しい遺伝子を創造した方が,人類の生存にとって最も有効に働くということなのだろう。これは,とても考えさせられる話である。また,人類という長い目で見ると,ガンの治療などの延命治療はもちろん必要だが,やはり,死については,個々人がしっかりと考えておくべき課題であると感じる。人間は,死にたくないという気持ちから,死に対して目をそらしがちだが,死は誰にも必ず訪れるものなのだから,特に年を取ったとき,施されるであろう延命治療が,自分にとってどのような意味があるのかということは,しっかりと考えておくべきことではないだろうか。

 そして,著者は今後の日本の高齢化社会に対して,次のような警鐘を投げかけている。
「若い人がいつまでも第一線に出られないような世界は保守的になり,活力が乏しくなることは確かであろう。流動性を高める方策を考えないと,社会は停滞して,老人ばかり増えて,景気も悪くなるばかりといったことになりかねない。」
 私も同意見である。
限界に近い長寿社会であるわが国において、医療や年金、社会保険など起こりつつあるさまざまな弊害は、クオリティオブライフといった視点とともに、社会システム全体を変えなければ、答えは見つからないのではないかと考えさせられた。 ★★★★☆
生物学者である著者は、細胞の構造や遺伝子の仕組み人体の成り立ちなど様々な角度から、人間のような複雑な生命体にとって老化は、防ぎきれないものであるということを、いくつもの事例をあげて、示している。

本書では、生命の起源から進化、そしてその過程で出現した「寿命」。老化をもたらすさまざまな要因をあげ、皮肉なことに「正常に生き続けていること」こそが老化の原因としている。

その上で、寿命が延びた場合に予想される社会システムの変化についても思考実験を行い、皮肉たっぷりに超長寿社会を落語のタッチで締めくくっている。

すでに、限界に近い長寿社会であるわが国において、医療や年金、社会保険など起こりつつあるさまざまな弊害は、クオリティオブライフといった視点とともに、社会システム全体を変えなければ、答えは見つからないのではないかと考えさせられた。
斜に構えているが、多くの人にとっては、本当はこれが自然体ではないのでしょうかと考えさせられます ★★★★☆
今の世の中で生きていくのに何か不安があって、それだからこそ、生き甲斐とか人生の目標だとかを持たなくてはという強迫観念というか、生き方も、また、死に方まで「こうすべきだ」というマニュアル社会の肩ひじ張ったりの一見「正論」や「ねばならない」論にとらわれないで、もっと自然体で生きていけるのでは、という感じが本書を読みながらしてきた。著者の他のエッセイと同じく、近ごろの常識に対して斜に構えたような考え方だが、たぶん、かなりの人は、本音では、このような考えに共感し納得するのではないだろうか。マスコミで報道される世相や流行、また、社会常識などとされていることに合わせなくてはなどと無理に焦る必要はありませんよ、と教えてくれる。世間や他人に合わせるのに疲れている人にお勧めしたい。新しい視点から世の中が見えてくるのではないだろうか。
長寿の可能性と長寿社会の未来についての推論 ★★★★☆
「気鋭の生物学者による思考実験」という帯のキャッチフレーズは、この本の内容をよく表現していると思う。

寿命をキーワードに、生命の成り立ちや細胞の仕組みについて振り返り、人間の寿命の限界点、平均寿命を伸ばすために必要なこと、人間の最大寿命の限界自体を破る可能性について科学の視点から考察している。単に様々な研究結果を集めて紹介しているというのではなく、現在わかっていることや有力な仮説と、そこから導き出される著者の推測や考察を組み合わせている。

「寿命」「人はなぜ死ぬのか」というのは、すべての人が関心を持つテーマだろう。著者の考察結果の全てが正しいかはともかく(特に第5章は推論というよりほとんど妄想に近いといえるかもしれない)、哲学や宗教とは異なる科学的な視点から人間の生死ついて考えてみたいときには、参考になる情報が盛り込まれているのではないかと思う。

ただ、生命科学に関する本をまだ一冊も読んだことがない方にとっては、たぶん難しい部分があるのではないだろうか。それは、著者のせいというより、本来ある程度の前提知識が必要なことを、このサイズとページ数で言葉に頼った説明でまとめようとすると仕方がないことだと思う。より正確な理解のためには、生命科学の入門書を読んでおくことをお勧めする。この本は、ぱっと見の印象ほどは易しくない。平均的なBlueBacksシリーズくらいの難易度である。