例えば一曲目のStorm at Sunup (夜明けの嵐っていうタイトルもさることながら、
この韻を踏んだタイトルはA&Mの最終傑作Brother to Brotherまで続くことになる)は、バラードで始まって
サンバ→4ビートと続き、またバラードに戻ってくる。
それがプログレとかみたいに嫌味じゃなくて、とても自然に音楽的な所がいい。
ここらへんが次作の戦争組曲につながっていくのだが・・・。
他にもこの頃のジノの人生観を表した?Love me now やファンキーなチューンMama Coco、
後のPeople I belong to にも通じる家族愛を歌ったFather and sonやまたも壮大なアレンジのWhere am I going、
最近のジャズバンドでのライブでも披露したKeep on walking、キャッチーなLove is a night
などなど、楽曲的にも粒ぞろいである。
このアルバムではグラハム・レアという無名の若手ドラマーを起用したのだが、これが手数が多くて実にテクニシャン。
彼は後にサンタナに見出されて活躍するのだが、ジノはこういう無名のすごい奴を起用するのがうまいのだ。
4作目でのジェイ・グレイドンしかり、6作目でのカルロス・リオスしかり。
ちなみにグラハムとはYonder Treeで奇跡的な再会セッションを披露している。
歌詞としては、若いながら老いへの恐怖や、現状への疑問、愛というものへの懐疑などが哲学的?に歌われ、この辺も聞き所である。
Brother to Brother, Night Walker でジノの虜になった人に、ルーツを探る意味でも、その次に聞いて頂きたい名作です。