二十年ものの熟成
★★★★★
白泉版・新書館版の連載時からの読者で、旧作が手元にあり何度も読み返してきた愛読者です。
単なる愛蔵版と思いきや、驚くほど多くの文字的改変が成されており、この世界観での鬼の新解釈や、桃源津那美を始めとするキャラクターの深みが増していました。
また、書き下ろしは火閻魔人と支配者の黄昏をつなぐミッシングリンク的役割を担うようにもとらえられ、鬼だけではなく、津那美もまた特別な存在であることが際立つように思います。
前半はなにしろ二十数年前の作品ですので、画面的に荒削りではありますが、立派に漫画の面白さは伝わります。
その面白さはそのままに、拙さを補うように台詞や説明が改変され、他作家の影響等も払拭され、この版をもってして、火閻魔人は二十年ものの旨酒として熟成されたなと感じました。
ただ、ほかの方のレビューにもあるように、私もこれだけで津那美の鬼退治が終わるのはもったいないと思います。
面白いから食い足りない!
そこだけが惜しい。
いつか機会があれば、座幻鬼のその後や、茨木童子との因縁も明かして欲しいです。
そんなわけで、新規の読者の方には絵的にとっつきにくいかも知れませんが、物語としての面白さを見つめて頂きたい。
旧来のファンは、旧作との違いを堪能して新しい事実にうち震えましょう。
コミック2冊分+α
★★☆☆☆
火閻魔人は雑誌連載から読んでいて、コミックスも持っているので続編だ!と思って買ったので残念
魔人は持っている初版と比べてセリフに直しが入ってるのと、設定年齢が変わってるのと、1コマ直してあるのを知りました
作者さんの中では完結したストーリーなのかな と思うとさみしくなりました。
初期の魔人を知りたくて
★★★☆☆
火閻魔人の続編ともいれる、支配者の黄昏を持っているのですが、これは大変すばらしく非常に大好きでした
なので、主人公のかつてが書かれた火閻魔人という漫画があるときき
購入しようとしたのですが、すでに販売してませんでした
そんなこんなで月日はながれ、最近、この本の存在を知り購入
しかし、中に支配者の黄昏まではいっているとは。。。。
まぁ、持ってない人には続けて読んだほうがよいかもしれませんが
話はいいのですが、いかんせん絵のレベルがちょっと・・・・
支配者の黄昏のときレベルで書き直してくれたら最高だったかも
しかし、設定やストーリーはとてもすぐれています。
魔人の別作品がでたらいいなぁと思いました
完結の言祝ぎ
★★★★★
『火閻魔人』、完結? ですよね。お疲れ様でした。
巻末を見ると初出がのっていて。。。
ずっと気になっている未完のマンガでした。
人間の不安やおそれが人でないモノとなって象られる、ゴシックホラー(というのでしょうか)の先駆けだし、その画力はキャプチュードというプロレスの技の痛さを、あぁこれなら受け身がとれないよなと想像出来るように描くことができ、そんな意味でも今読んでもたのしかった。
転生を繰り返すというラストにあったマンガみて、これにて終了かな? とも思ったけれど、連作短編のように、書き続けてもよいと思いますよ。
この作品はなにか、物語の泉のようです。読む人に、イメージをあたえるのだから。
ちょっとがっかり
★★☆☆☆
10年以上前から作品のファンでしたが、正直こんなに厚みの有る本なのに内容が薄いと感じました。総集編になるのでしょうが、残念ながら月日が経過しても画力に発展が見られないように思います。
また、話もとても良い設定なのに活かし切れていないきがしてなりません。