今聴いても、時代を感じさせるような懐かしい曲ではなく、とてもシンプルで聴きやすい曲でした。

　しばらくは、飽きずに聴いていこうかと思います。

ライナーノートに福井ミカさん
とても器用な人達と言いながら、その後キツーイ一言
ただ、ひとつないのはポップよね
そのとおりのアルバムだと思います
レコード時代のＡ面は世界を旅するコンセプトアルバム
こちらのほうが聴きやすくポップかも
ただどちらにしても散漫だし、音も良くない
ジェフ・ベック・グループの第二期を聴いた時の違和感に似ているかも
こちらは年とともに良さがわかった
もう少し聴き込めば評価は変わるかもしれませんが

　楽器を触る者であれば誰しも、自分は天才じゃないかと思うくらい思うままに演奏できる時期が訪れる。それがちょうど、同じような時期を迎えている者同士のバンドであれば尚更だ。80年代初頭のカシオペアなんかも奇しくも同じだが、ことサディスティックスに至ってはイギリスを暴れまわったあとの丁度この頃がまさにそれである。
　バンドの運命は残念ながらミカバンドの「惰性」で始まったものではあったが、このファーストはまだ本人達がミカバンドでやり足りなかったジョーク？も加えた、しかし世界的なクロス・オーヴァー・ブームとも呼応した完成度の高いものである。
　サディスティックスの素晴らしいところ。高中氏の「カッティング」が全編に渡って聞ける（現在では考えにくいものだ）・後藤氏の唸るスラップ（感動）・意外に見落とされがちな、今井氏のリリカルなピアノ・そして溌刺とした何者も太刀打ちできない切れ味鋭い高橋氏のドラム！このファーストにはこれが縦横無尽・十二分に満載されている。凄すぎ。
　哀しいのは、本人達の語る通りここに「魂」がなかったことか。聴き終わって「あ〜楽し」で終わっちゃうところ。セカンドを聴きたいかと言われると「まぁこれ1枚あればいいわ」になっちゃう。まさかレコード会社さんもそのノリでこれ1枚だけになってるのか？『ライブ・ショウ』は出してよ！
　

その昔、糸井重里がやっていたＹＭＯの特番のラジオで「キリンのいる風景」にハマってしまい、その数年後につぶれかけたレンタルＣＤ屋の在庫処分でほぼ新品の状態で購入できました。もう１０年以上聴いてますが、全然古くなりませんね。下手にデジタル化された流行曲が次々と陳腐化する中で貴重なＣＤです。

リズムセクションが、高橋ユキヒロ氏と後藤次利氏であるということだけで購入したのですが、これが中々聴き応えのあるアルバムとなっています。1曲目から10曲目までは、海賊が世界を航海していくという内容の組曲形式になっています。目を閉じて聞いていると自分もクルーの一員となって広い海を航海している気分にさせられる作品です。美しいインストパートあり、コミカルな歌ありと、とても楽しめます。特に今井氏の美しい音色のキーボードが大活躍です。

　後半はＡＯＲ・フュージョン風の歌ものでまとめられています。このメンバーのおかげでとてもかっこよく、そしてとても心地よいナンバーに仕上がっている思います。特に一聴して彼とわかるユキヒロ氏のシャープでマシンのようなドラムと、日本人離れした後藤氏のベースが素晴らしいです。

　全体的なサウンドも非常にクリアで聴きやすく、一人一人が卓越した演奏を聞き取ることができます。特にベースの音がでかく、まるで目の前で弾いているかのようです。

　全体的に色々なタイプの曲が収められたバラエティに富んだ作風で、ミカ・バンドよりも聴きやすくなっていると思います。卓越した演奏力を誇る彼らだからこそ作りえたアルバムかと思います。特にリズムセクションの貢献度はとても高いと思います。個人的には日本が誇る名盤のひとつと思っています。