80年代アーバン・ソウルの魅力が随所に光る好盤
★★★★☆
ワン・ウェイの代表作というと,82年発表の「Who’s Foolin’ Who」が挙げられることが多いが,本作もなかなかの好盤。
中でも「I’ll Make It Up To You」から「Don’t Stop」までの序盤3曲の出来が秀逸。「I’ll Make It Up To You」は,80年代ソウルの定番とも言えるメロウでグルーヴィーなミッド・テンポ。チョッパーを多用したベースラインにAOR/ブラコン感覚のメロディーを女性リードが彩る。「If Only You Knew」は、物悲しいサックスで幕を開ける愁いを帯びたバラード。爽やかなギター・サウンドも何処となく感傷的。レイトナイト向けのしっとりとしたスロー「Don’t Stop」は,泣きの入ったリード・ヴォーカルと、感情を抑えた混声コーラスが絶妙のコントラスト。後半なら「Dynomite」。シェリル・リンとかがやりそうなメロウでタイトなダンス・ナンバー。
ちなみに,アル・ハドソンは,80年代ソウル/ブラコンよりも,もっと素朴で温かみのあるバラードなどが性に合っていたみたいで,シングル・ヒットした「Lady You Are」は,のどかな春の陽射しを思わせるメロディーをそよ風のようなコーラスが流れるバラード。Zappみたいにボコーダーを多用したエレクトリック・ファンク「Mr.Groove」も当時は大ヒットしたようだが,今となってはやや隔世の感ありか。
マスト・アイテムというほどではないが,80年代をリアルに過ごした人にとっては懐かしいアルバムだし,最近R&Bに目覚めた人も受け入れられるだろう1枚。
1984年 ADKプロダクション
★★★★☆
デトロイト出身の彼らがアル・ハドソン&ソウル・パートナーズとしてABCから1976年にデビュー。
80年にワン・ウェイと改めMCAよりヒットを連発。R&Bチャートではトップ10に5曲送り込んでいる。
このアルバムからは LADY YOU ARE(5位)とMR. GROOVE(8位)のヒットが。
80年代初期の彼等のFUNK曲はP-FUNKまたはZAPPからの影響がみてとれたが、この時期には自分たちのスタイルを確立させた。
またバラードやミディアムでは変わらぬソウルネスを示す。
ベースラインも好い LADY YOU ARE はSLOW JAMのクラシック!
まだ数枚CD化されてない彼等の作品(DEODATO製作など)も、追々お願いします。