音楽の超名盤!!! ( "At the Harbour"の試聴を!)
★★★★★
1973年、RENAISSANCEのアルバムです。
70's フォークロックに、クラシックやトラッドソング(伝承音楽)の要素を、巧みに織り交ぜた作風で、全曲素晴らしいです。
全体的に、「飾り気のないアコースティックサウンドに、Annie Haslamの清純な歌声が舞う」といった感じです。
「プログレ」「クラシック」というと、KING CRIMSONのような重厚なサウンドを思い浮かべがちですが、もっと軽いタッチです。
「フォーク」プラス「古楽(バッハ以前)」、あるいは吟遊詩人集団といった感じです。
聴いていると、英国の深い森や、こじんまりとした小さな町を、旅行しているような感覚です。
このアルバムの購入を、お考えの方に、是非、オススメしたいのが、tr. 5 "At the Harbour"です。
ドビュッシーの「沈める寺」のピアノイントロから、哀愁感を秘めたメロディを、Annieが叙情的に歌います。
特に、夜12時以降、みんなが寝静まったころに聴くと、ホントに、心に沁みます。(Youtubeで試聴を!)
また、他レビューにもあるとおり、tr. 6 "Ashes are Burning"も最高です!
11分超の大曲ですが、まったく時間を感じさせません。
Gソロは、「なんと! WISHBONE ASHのAndy Powell!」です。
「RENAISSANCE初心者」「プログレ・ファン」に、オススメです。
が、もっと幅広く「すべての音楽ファン」にオススメできる超名盤です。
(「Enyaも、ある種プログレですよね?」。。。これが理解できる人なら、全然大丈夫ですよ!)
(参考)
US盤ジャケは、Annieの服が、黒です(黄色い花の柄が無いです)
バンドを代表する傑作
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英国のクラシカルロックバンド、ルネッサンスのアルバム。1973作
「燃ゆる灰」のタイトルで知られるバンドを代表する傑作。
美しいピアノが鳴り響く、1曲目の“Can You Understand”のイントロからして、
このバンドのクラシカルな叙情美がすべて味わえるという…もう最高である。
そこに瑞々しいアニー・ハズラムの歌声が加わると、世界はしっとりとした優しさに包まれる。
どこかまだフォーク的な牧歌性を残したメロディに、艶やかなストリングスが重なって
雄大でありながらも、英国の優雅な土臭さともいうべき感触がとても耳に優しい。
ライブでの定番曲“Carpet of the Sun”の爽やかさにはうっとりと聞き入ってしまうし、
11分に及ぶラストのタイトル曲は、フォーキーなやわらかさで始まりつつ、
クラシカルな間奏部をはさんでラストに向かって盛り上がる感動的な名曲だ。
プログレファンだけでなく全ての人に聴いていただきたい名盤。
★★★★★
これは超名盤ですね。基本的に駄作なしの彼らですが、中でもこのアルバムはポピュラリティ・完成度という点で抜きん出ていると思います。
僕がいつも思うことはこのバンドがプログレというジャンルに押しくるめられるのがあまりにも悲しいということです。プログレというジャンルから想像する難解さからは全く無縁のサウンドです。特にこのアルバムはそうした傾向が強いと思います(次作以降は若干プログレ風味が増しますが)。確かに組曲風の曲調だったり、テクニカルなアンサンブルなどプログレ風なところはありますが、彼らの根幹にあるのはいかにも英国的といった感じなポップ風味です。
ピアノとタイトなリズムセクションが這いずり回るイントロからルネッサンスの顔であるアニー・ハズラムの透明な歌声が響き渡るフォークへと変わる1曲目、天上へと連れて行かれそうなアニーの歌声とピアノの伴奏がとにかく美しい2曲目、透明感あふれるコーラスが魅力的な3曲目、弦楽器、管楽器、ピアノとアニーのソプラノヴォイスが絶妙にマッチした4曲目、ドビュッシーの「沈める寺」を引用した哀愁漂う5曲目、プログレ的展開を見せ、最後にゲストのアンディ・パウエルが究極の泣きのギターを披露する6曲目と全曲名曲揃いです。全編を通した英国田園的な雰囲気もたまりません。特に6曲目は彼らの代表曲で、アンディ・パウエルのソロは個人的泣きのギターソロBest10に入ります。
カーペンターズが好きな方にも間違いなく気に入ってもらえるはずです。是非紅茶とともにこの味わいをどうぞ。
ドビュッシーの引用もあるノーカット盤
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私はルネッサンスが大好きです。特にこのアルバムは曲も粒揃いであり、この頃のアニー・ハズラムは澄んだ声の伸びがどの曲でも素晴らしく、そしてラストのアルバムタイトルナンバーは所謂プログレ的な楽曲をドラマティックに決めて最高の仕上がりです。
ただ、以前に購入した国内盤CDは、At The Harbourでのドビュッシーの引用がカットされていて、えらくがっかりしたものでした。
今回、ふと思いついてUK盤を買い直してみると、ちゃんとドビュッシーの引用が残っているではないですか。やはりこれが無いといけません。せっかくピアノ練習の虫?ジョン・タウト氏が頑張っているんだし、「燃ゆる灰」とのつながりも断然このノーカット版のほうが良いです。
また、ジャケットの写真も、国内盤CDは旧US盤用の写真を使っているのですが、はっきり言ってUK盤の写真のほうがアニーの表情が明るくて断然かわいい。今から購入される方は気をつけたほうがいいでしょう。
非の打ち所のない名盤
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アニー・ハズラムをボーカルとした新生ルネッサンスの二枚目のアルバムで、曲そのものの完成度もさることながら、美しいアニーのヴォーカルが特徴的です。
クラシックとフォーク、そしてロックが無理なく融けあって、ドラマティックな世界を構成しています。
最大の聴きものはやはり貫禄のある大作の6曲目ですが、無駄のない美しい小品2、4も私の好みです。
また、5曲目のAt The Harbour(渚にて)は、漁師の妻たちが夫の無事を気遣いながら帰りを待つものの、男たちは海に飲み込まれてしまうというストーリーになっていますが、旅や仕事に出た愛するものの帰還を待つ恋人というモチーフは、アイリッシュトラッドに良くみられます。こうした曲にもこのアルバムのトラッド色がよく現れていると思います。
もちろんケルトコーナーに置かれるアイリッシュミュージックにくらべればコテコテの伝統味はなく、ジョンタウトのクラシカルなキーボードや、ジョン・キャンプのロック的なベースの効果もあって、清浄でありながら親しみやすい独特の音世界を創り上げています。
歌詞、メロディー、アレンジ、構成どれをとっても非の打ち所のない名盤だと思います。