全人類が読むべき本
★★★★★
このあまりに衝撃的な本に誰もレビューを書かないのは不思議だと思っていたら、もう一冊の著書
に大量にあったので、納得できた。もう一冊の本は未だ読んでいないが、この本を読みすぐ注文した。
この本の価値を壊したくないし、多くの人に読んで欲しいので、抽象的にしか書けないが書く。
どうせ良心が痛んで困ったと言う話だろう、くらいに思って買ったのだが、そんな安易な予想を裏切
られた。
著者は兵役除隊後、いわゆるPTSDになる。
長い年月をかけ、自分がどうしてある行為をしたのか、その問に気づく。
それは予想も全く出来ない答えだった・・・。重い。私はそれを知って呆然としてしまった
・・・。頭では知っていたことだったが、それは知っているということではない、と認識した。
想像力が大事と思ってきたが、その限界を如実に感じた。
理解する、ということはこういうことか、と初めて分かった。おそらく読まれた方はみな衝撃
を受けられると思う。
また、それとは別に、涙なしに読めなかった。
本書後半は、彼の体験を通した主義、主張が書かれている。それに賛成でも反対でも構わない。
後半は読まなくとも、この本の前半は、現在の私たちが読む義務すらあると思う。
人間性、HUMANITYに関するとても貴重な本だ。
薄いし読むのに時間がかからないが、内包しているものはとても厚い。
合わせて、「初めて人を殺す」という岩波現代文庫の本も読まれたい。