待望の増補増刷
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本書は1997年に出版され、古典テクストと対峙することを生業にしている人々や、古典に興味のある学生にとって必読書であるにもかかわらず、長らく品切れになっていた本の増補版である。「連接構文」という概念を軸に展開される本書の論に初めて接したとき、目からうろこが落ちる気がした。この本には、学校文法や過去の慣習を無批判に受け入れて増産されてきた注釈書などによって形成されたねじれた古典テクストの理解を正し、和文の基本原理を示すことで古典テクストの持つダイナミックな本質を解き明かす画期的な本である。