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東京大洪水 (集英社文庫)

価格: ¥800
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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リアリティのあるストーリーだが・・・ ★★★★☆
著者得意の自然災害を題材にしたパニック小説です。

今回は超巨大な台風。二つの台風が合体して首都圏を直撃するというスリルと恐怖感を感じさせられる内容です。
著者自身がいろいろと取材を通じてシミュレーションしただけのことはあって、その内容にはリアリティがあり、この際読者に災害について学んで貰いたいと訴えているようにも感じられます。

この小説に登場する主人公・玉城孝彦はじめいろいろな人物たちの人間模様も描かれており、それぞれの行動力や思考などにドラマ性が生まれていて、他の安っぽい作品とは違って重みが感じられます。

只、これだけの大きな台風を取り上げながら、場面がポイント的に決められた所しか描かれてないのが残念です。また、最大瞬間風速80メートル以上の凄まじい台風の割には、その被害模様が少なく感じられる気がします。

リアルな恐怖 ★★★★★
パニック小説。パニック映画。どちらも大好きである。こういった小説は夢中になって読めるだけでなく、生の体験が少なくなり、危険を感じることの少ない安全な国ニッポンで「リアル」な恐怖を感じさせてくれる。どれだけ場面が緊迫しようとも、そこは架空の話、のんびりとストーリーを楽しめる。これぞ小説の醍醐味。
降りしきる雨。近づく異様に大きい台風。日本列島を縦断することもなく、無事に通り過ぎるのだが、自然の力とは恐ろしい。その台風は、予想もつかない動きをし、そして東京は…
簡潔でムダのない文体。乾いた文体、と言ってもいいだろう。パニック小説を書くにはぴったりである。淡々とした語り口が、かえってリアリティーを感じさせる。緊迫感が行間から伝わってくる。フィクションとはいえ、その描写には迫力があり、ハラハラさせられる。しかし、どこかでそういうスリルを望んでいる自分がいるのも確かだ。
「たかが台風…」この物語の中の人々は大半がそう考えているようだ。そして、気づいた時には手遅れになっている。地震、津波、台風…日本は災害大国なのだということを改めて思い知らされる。阪神大震災の時、政府の対応はかなり遅れた。国ももちろんだが、私たち一人ひとりが災害に対する意識を高めることで、状況はかなり変えられるはずだ。天災は防げないが、それに伴う二次災害は防げる。
 途中から面白くなり、最後のほうは一気に読んでしまった。こんなことは久しぶりである。力のある小説であることは間違いない。