インターネットデパート - 取扱い商品数1000万点以上の通販サイト。送料無料商品も多数あります。

人生は愉快だ

価格: ¥1,575
カテゴリ: 単行本
ブランド: 毎日新聞社
Amazon.co.jpで確認
死してなお、あなたはいらっしゃる ★★★★★
考えること、著者が問いかけてくれることって、
私にとっての生きる杖、生きることそのもののように感じます。
温かいです。
哲人、偉人相手の話はサッパリお手上げの箇所が多いですが、
なじみと思えるもの、聞きかじったものについては「考え」が進みました。
気づき、発見の驚きで読めます。
また「第2章 池田晶子の人生相談」もイイですね。
痛快!今東光先生張りです。
一鍬、一鍬入れた新たな論説、文章を目にし、
直接お会いすることは叶いませんが、
同じ著作でも、自分自身が繰り返し読むことで、
新たな発見を期待できる方です。
死と生、そして人生 ★★★★☆
2007年に病死した池田晶子さんの文章を「死」と「生」という切り口からまとめた本。
第1章では30人の哲学者、宗教者の「死」に関する見解を紹介し、それに対する池田さんの考えを述べている。あくまで「死」という切り口なので、これら30人の偉人たちの思想すべてがわかるわけではないが、どういう思考様式をもった人たちだったのか、という池田さんなりの解釈がわかり、ときおり「そういうことだったのか」と新鮮な発見をするところもある。難解な哲学書などには歯が立たない私からすれば驚異の理解力の人である。あと、池田さんは、世間一般では誇大妄想と避けられがちなヘーゲルを(少なくともカントよりは)評価しているらしい、というのがちょっとした発見。
第2章は人生相談という形式になっており、個人的には少々退屈であった。なんというか、私とは笑いのセンスがちょっと違うのかもしれない。(というか、そもそも笑いが目的ではないのか?)
第3章はエッセイ。哲学を語ることについてのスランプ感であるとか、ガダマー氏との対談で(柄にも無く?)緊張した話など、池田さんの人間味のあるところが披露されていて親近感を感じさせるものとなっている。

そもそも、もはや語りえないことについてどう語るか、という状況において、
「1.語りえないことを考えることをやめて食っていくための生産活動に戻る」
「2.何かを信じないと落ち着かないので宗教に行ってしまう」
「3.そもそも哲学的なことは考えたことが無い」
「4.しつこく考え続ける」
の4パターンがさっと思いつくのだが、大半の人(科学者も含めて)は1を選んでいるのに対し、池田さんは最後の4を選んだ(選んでも生きていける)稀有な人なのだろうと思う。
答は『詩』・・・イワン・カラマーゾフの悩み ★★★★★
第1章 過去の宗教、哲学の批評
第2章 人生相談
第3章 哲学的エッセイ     
という構成なっていますが、私は第1章、特に各宗教の思想の批評に驚きました。
仏陀、老子、孔子、キリスト等が対象ですが、上から目線の批評のようにも感じます。
まさに『釈迦に説法』というスタンスのようです。(語義は違いますが)

私は読んでいるうちにドストエフスキーがイワン・カラマーゾフ(=大審問官)の口を借り
放った問いかけを思い出しました。

すなわち、「宗教から、奇蹟と、神秘と、権威を取り除き、残された論理は本当に絶対真理
といえるのか。」という問題です。

池田氏は、宗教について考察する際、慎重に、「奇蹟」「神秘」「権威」を取り除き、
論理だけで筆を進めています。今まで私が読んできた宗教の解説者は、全て下から目線
(=敬虔な信者としての立場)のものでしたので、非常に衝撃を受けました。

さて、宗教から「奇跡」「神秘」「権威」を取り除くと何が残るのでしょうか。
私にはあまりにも恐ろしい答なのでレビュー本文には書けませんでした。
池田氏の答を、今一度、本レビューの題名にてお確かめ下さい。
実はこの答は、イワン・カラマーゾフ自身が気づいていたものに他ならないのですが・・・・
ソフィーの世界を超えた名著 ★★★★★
将棋の17世永世名人の谷川さんの名言に「(どうしたら強くなれますか)と聞かれて、ちゃんとこたえると、質問者は満足しない。で、解ったんだけど、質問者は(どうしたら努力しないで強くなれますか)ってことを聞きたいらしい。そんな方法はありませんよ」と彼は笑います。彼のことばは、真実です。
しかし、入門書作家は、この真実の壁を越える課題を背負っている。
この壁を越えたと評されたのがソフィーの世界だが、西洋に偏っていて、しかもかなり厚い。
それを、わが国の入門書の大家は、最後の仕事として仕上げていた。
釈迦にはじまり老子も孔子もイエスも5頁。それも、小さな本に大きな字でスカスカの5頁。
名を挙げておく。
荘子、ソクラテス、プラトン、ピュタゴラス、ヘラクレイトス、エピクロス、デカルト、パスカル、スピノザ、カント、ヘーゲル、キルケゴール、ショーペンハウアー、ニーチェ、マルクス、シュナイター、フロイト、ユング、ハイデガー、ヴィトゲンシュタイン、西田幾太郎、臨済、空海、道元、親鸞、一休。
これら先哲を厚さ1cmと1mmの中に見事に詰め込んで見せた。
壮挙である。
本は後に人生相談、モノローグの小文が続き、クールダウンするにはいい構成になっている。
考えるとは本質に対する洞察。 ★★★★★
私の存在の意味は、生命が問いを私に投げかけてきたことにある。あるいは、逆に、私自身が世界に向かって投げつけられた問いそのものなのだ。

ユングのこの言葉を池田さんは引用するが、引用しつつ、自らの態度の表明でもある、と思われたのではないだろうか。科学、で把握される宇宙ではない、”弁証法として直感される心理学的宇宙”の存在を、”「個人」”で個人性を超えて、問い続けた姿勢。

第1回わたくし、つまりNobody賞の受賞スピーチで、川上未映子氏は、池田さんのことを評して、「考えることによって、考えずに与えられて鵜呑みにしてきた言葉とか、意味とか、価値観とかに、言葉によってちゃんと向き合えるかもしれない。池田さんは、それを言葉でずっと示してこられた方だと思うのです。」と語った。池田さんのぶれない姿を再確認できる1冊。

人生相談で炸裂する本音の池田節、”きっちり筋を通したあとは、実にすっきりしますね””ほとんど孤高の状態でしたよ”には、思わず泣き笑い。あるいは泣き苦笑。さまざまな池田さんが味わえる必読の1冊である。