モンポウの音世界。その片鱗がここに
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federico mompou(フェデリコ・モンポウ)の名作であるピアノ曲集“歌と踊り”のうち5、6,7,8曲目を収めた一冊。
現在、日本でモンポウの譜面を手軽に買うことは難しい。これはなんといっても低価格であるうえ、スコアが大変読みやすく印刷されている。装丁も上品で好ましい。
この4曲はいわゆる“モンポウらしさ”が十分に表れた名品といえるもの。前半は“祈りの形”を取った歌の音。一転急速調で舞踏のリズムを取り入れた踊りの音。
モンポウの特徴である、印象派の書法を独自に処理した“水晶のように透明な和音のひびき”の秘密がこの譜面で説き明かされている…といって差し支えないだろう。
普段ピアノを弾かない人も楽曲をCDで聴きながら、この譜面を手に取って上記の音の“秘密”を追いかけてみて欲しい。