身代わり花嫁モノに非ず
★★★★☆
連載も読んだけど、まとまると迫力が違う。
ベッドシーンを読むのにここまで体力というか気力が必要な作家さんも珍しい。
とにかく体育会系Hというか。アメリカンというか。誤解を恐れず言えば、慎みや恥じらいがない。
この作品は特に共感覚という要素を取り入れているので、その手のシーンで性的ファンタジーに身を任せるにも多少頭を使わざるを得ないというのもあるけど・・・
読み終わるとどっと疲れが・・・
話自体は、美貌のトレーダー・冬夜が政略結婚の挙式の打ち合わせに訪れたホテルで一夜限りの恋人だったオーナー・鷹に再会して、オーナーの圧倒的な魅力と執着に根負けするというストレートなものだけど、この執着が半端ない。
正直、暑苦しいくらい。
クールビューティがいくらツンドラ吹かせようと効き目なし。
鷹はギリシャの血を引く美丈夫だけど、その形容が「神のごとし!」みたいにいちいち大げさで、相変わらず独特のテンション。
いや、嫌いじゃないですよ、でも年には勝てないな〜と。
ド派手な設定にちょっと鼻白んでしまう自分がいて残念。
書き下ろしは、シークレットフロアで逢瀬を繰り返す蜜月に、鷹の父親とばったり遭遇するお話。
鷹・父、さすがの貫禄。彼が美青年を甘やかすような話も読んでみたいものです。
あとちょこっと剣さんの漫画も収録。弟カップルとの合同花見?楽しいエピでした。