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幽式 (ガガガ文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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もっと見てもらいたい ★★★★★
桜ishもそうですけどもっと評価されていいと思います。
フィクションとしてバランスのいい心理描写がかける方で
この作品でも霊的な存在に対する思いを巧みに書き上げられています。

話自身も面白く赤い部屋の話では子どもの頃の記憶と重ねて寒気を感じつつ引き込まれました。
人間の悪意を描きつつも救いも書かれていてとても読後感のいい作品です。
続編を思わせる引きで締めくくられていますが前作で本誌連載が終わったあと単行本化なしで打ち切られるという境遇を味わっているだけにぜひとも出て欲しいです。
それをなしにしても見たいです。

挿絵についてですがあっていると思える面もありますが、
やはり多くの人がまず取ってみよう、中の挿絵をみて即読みたいと思えるとは思いません
読者の幅を広げるという意味で残念だったと思います。
吐き癖のある電波ヒロインミーツへたれ ★★★★☆
身も蓋もないこといっちゃえばオカルト版GОТH。
ヒロインが黒髪黒服の寡黙で電波な暗黒面に魅せられた美少女って符号も共通です。ラノベで分類するとSINОや嘘つきみーくん、マージナルと同じ系統になるのかな……暗黒青春ライトノベルってジャンルがあるならそれに分類したい。
しかし「幽式」の主人公トキオはGОТHの「僕」と違ってへタレでまともな至って普通なイマドキ男子高校生なのでその点は安心されたし。
彼岸と此岸のはざまに立つヒロインの電波な言動の数々にふりまわさつつもいざってときは漢を見せてくれます。
深夜の霊園に嬉々として録音テープを仕掛けにいっちゃう神野江に最初は引いてた主人公のトキオだけど、ふたりで冒険をかさねるうち徐徐に彼女に惹かれていく……という表現は正しくないか……同類の親近感から始まって異端を愛する同志として共鳴してく過程、友情以上恋愛未満の微妙な距離感がなかなかにやけさせる。
幼い頃目撃した赤い部屋の謎の解明はかなりぞっとする。
月並みだけど幽霊より狂った人間のほうがよっぽど怖いんだよなあ……この話の特徴として、謎の一部が常に保留されるもやもや消化不良感があげられる。怪談に一応合理的な説明が付いても謎のすべてがすっぱりさっぱり解明されず、何故そうなったのか、何故彼ら彼女が怪奇の暗黒にのめりこんでいったのかの肝心の動機が曖昧なままなのでそこはかとない不気味さがあとをひく。
赤い部屋の話も怖かったけど次の忌み語のエピソードも怖い。
西条八十の詩にそんな意味あるなんて知らんかった……読むと死期速めるって……知らずに桜庭一樹の読書日記の引用で読んじゃったじゃんか……忌み語はやっぱり忌み子とかけてるのかな?と考察し甲斐があります。

「赤い部屋」と「忌み語ノート」の話は前座で、中盤からトキオの父親が絡む話になり、一気にシリアスでへヴィな様相を呈す。
どんでん返しがあるってのは前情報でしってたんである程度予想と覚悟はしてたんですが、例の屋上のシーンで親友の大森からトキオが衝撃の真実を告げられるシーンは、やっぱ緊迫感ありましたね……それに前後する一連のシーンも静と動の緩急絶妙にスリルを高めます。 
六所塚の鉄塔を背にした夕闇での初遭遇、屋上での初接近で神野江とイヤホン半分こするシーンなど印象的な場面は色々ありますが、個人的に一番好きなのは神野江の校舎大暴走。それまでの鬱屈を全解放するように跳んで跳ね跳んで跳ね蹴りをくれ台風のように大暴走する神野江を追うトキオ、このシーンがほんと躍動的で手に汗握る。読んでるほうまで文章のリズムにのって気持ちよくなる。
オカルトを扱った話だけにグロいシーンも多々あるのですが、こういう青春全開なエピソードが盛り込まれてるせいで後味はさわやか。
終盤、あちら側に行ってしまいそうになった神野江にトキオが目一杯手をさしのべるシーンの美しさは胸に迫ります。

表紙・挿絵はネットで有名なレーターのわかばさん。
萌え主流全盛のラノベ界にあっては異彩を放つ画風ですが、白と黒の対比が清廉な独特の絵は、書店でぱっと目をひくこと間違いなし。  
カラー口絵の空間の使い方とかほんとうまい……吹く風を感じられる絵というか……トキオと神野江の隔絶した距離と微妙な関係を的確に表現していて感動しました。
ヘタレ主人公とオカルトと電波美少女 ★★★★☆
登場するキャラクター達が実に個性的で、とても読んでいて楽しめました。
中でもヒロインの電波美少女転校生ユイ。ここまで普通に吐きまくる美少女ヒロインも珍しい(笑
放送できないような事も普通に喋ったり、破壊しまくりで「愛校精神が暴走しました」などとのたまったり。
そんな暴走を「ユイだしなぁ」で、納得できるのも凄いと思いました。

物語はオカルトを主軸に展開していきます。ビビリでヘタレなくせにオカルトが好きな主人公と、
オカルトが関わっている時だけ生き生きとするユイ。彼らの掛け合いが実に面白い。そしてゾクゾクとする。
理解してはいけない言葉、見てはいけないモノ。日常に紛れ込まれた呪い。
学校に忍び込み解き明かされる、「闇」の部分に読んでいて鳥肌が立ちました。
最後の怒涛の追い込みや爽快感も素晴らしく、最後にユイとのやりとりはなぜだか胸が温かくなりました。
イラストは迫力があり、印象的であるものの奇抜?すぎてなかなかイメージとしっくりきませんでした。これはこれで綺麗なのですがね。ちょっと手に取りづらいかなぁ。
個人的にユイはもっと美しい。と思うので★4つにしました。

個人的にぜひ続編が出てほしい一冊です。