加山雄三オリジナルLP 第7作
★★★★☆
1968年9月発表。個人的にとても気に入っているシリーズ12作目の映画「リオの若大将」のサントラ盤との紹介だが、映画で使用されているのは3曲(2,3,5)だけであって、気持ちの良いボサノバ系の曲が多いアルバムである。
しかし、あまりにも名曲な「ある日渚に」が挿入されているだけで「リオの〜」のサントラ盤とされても仕方ないだろう。この曲は加山雄三(弾厚作)が作曲した曲の中で1〜2位を争う出来栄えである。彼が自ら日本語で作詞をしたのは、この曲と「夜空を仰いで」「海の上で」の3曲だけである。サビの部分が泣かせる。
この映画は大学を卒業する若大将と星由里子演じるマドンナ「澄子」との別れを予感させるラストシーンのために全編を通じて物悲しい雰囲気が漂う内容なのである。アルバムのジャケットも彼のものにしては非常に渋く物悲しく孤独な感じである。大人になっていく「男」を暗示しているようである。
タイトルは「君のために」だが、曲としてはこのLPには挿入されていない。前々作「太陽の恋」のメイン曲をアルバムタイトルに持ってきているのにも何か思い入れのある訳があるのだろうか。
星5つにしたいのだが、10の「ポヨタン」の駄作振りに呆れてしまったので一個減点した。惜しい。