臨床と基礎医学の邂逅
★★★★☆
石原氏の身体温め論の理由が、伊藤氏の基礎医学研究によるHSPで説明が付いた、との対談本。
お互いが褒めあうばかりで、褒め殺しかとも見えてしまう部分もあるが、血管内に老廃物を溜めておきながら血液だけを綺麗にしようとするのが動脈硬化で、その細い血管に血液を通そうと心臓が力を入れる野が高血圧。
その高血圧に対して心臓の力を弱めたり、血管拡張剤を使うが、同じ生活習慣ではまた血が老廃物で汚れる。
今度はそれ以上血管が細くならないので、一部に汚れた血を固めて血栓を作ったり、出血させて汚れた血を捨てようとする。
それも薬で押さえ込もうとするので、最終的にからだは1ヵ所に汚れた血を集めて他に行かないようにする装置を作るのが癌で、癌も生きる為の生体反応だ。
との説明には納得。
両氏とも臨床・疫学データを公開しておらず、効果的でなかった例も著書で見た記憶がなく、そこに疑問を感じるものの、一般的な未病状態の人が、週2回程度熱めの風呂に入って効果を試す分には害は無かろう。
両氏で共同研究としての論文が出され、エビデンスとして確立すれば、無用な薬の副作用に悩む人も減る。
医業界の儲けも減るので妨害は予想以上にあろうが、確立に期待したい。