ミニ・コンピュータの全盛期、シェアを伸ばすDEC社の32ビットのVAXシリーズの対抗機種開発のため、Data General社は未だ成果のでない開発プロジェクトへのつなぎのつもりで32ピットスーパーミニコンピュータを１年で開発しようというEagle Projectをスタートさせました。本書はこのプロジェクトに携わる人々の姿を描いたドキュメンタリー小説です。
　35歳の本プロジェクトのマネジメントを行なうベテラン技術者の荒海の中を嬉々としてヨットの操船を行なう描写から本書は始まりますが、困難な技術開発を予感させるものとなっています。そして"sign up"という言葉とともに各要素の開発にあたる技術者の姿が紹介されていきます。それは4半世紀経た今日も、技術開発に取り組む人にとって共感するストーリーであり、技術開発に取り組むとはどういうことか、ということを考えさせてくれます。