鉄道をメインテーマに据えた旅行ガイドというと、線区別に沿線の車窓や名産品を並べて……という編集が普通なのだが、この本はまず春夏秋冬の４つに区分し、それぞれの季節においてお勧めの列車（線区ではない）を紹介するという変わった編み方をしている。著者が『全線ガイド北海道列車の旅』の著者矢野直美氏同様「フォトライター」なる耳慣れない肩書きを名乗っているのが少々気になるが（北海道に関係する鉄道系ライターは皆そう名乗るのだろうか？）、駅弁やＤＭＶについての情報記事も合格点をあげられる内容であり、２００３〜０４年の夕刊紙連載を元にしながら２００６年３月のダイ改後のデータにアップデートしてあるなど、細かいところに気を配った内容は好感が持てる。

　私の個人的な感想ですが、最初この本を手にしたときは、列車の事だけしか書いていないのかと思いましたが、読んで見ると、列車に関する情報だけでなく、列車の車窓などの風景を通して北海道の魅力を十二分に載っています。また、列車が走る路線や季節別に列車の旅を通じて北海道の観光案内もしています。
　鉄道が好きな方も北海道が好きな方も楽しめる一冊です。これを読んだら列車で北海道を旅行したくなります。私は北海道に下宿していて北海道の列車すべて乗りましたが、この本で「こんな所があったのか」と新たな発見もありました。