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アジアに架ける橋―ミャンマーで活躍するNGO

価格: ¥1,785
カテゴリ: 単行本
ブランド: コモンズ
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なぜミャンマーに関わったのか? ★★★★★
アウンサンスーチー女史の拘束をはじめ、選挙結果の無視、少数民族の圧迫など、現政権の問題点が報じられているミャンマーになぜ関わるのだろうか? 最初に思ったのは、そのことです。

この本には、著者が関わるようになった経過が、スタートから丁寧に書かれています。

「関わらない理由など、いくらでもある。でも、そこに困っている人達が居て、自分たちが状況の改善に役立てるなら行動するしかない。」

現政権の不条理な対応や、国際公務員特有の思考方法・官僚主義に悩まされながら、少しずつ地元の人達の信頼と行動を引き出し、実績を積み重ねられてきたことに、深く敬意を表したいと思いますし、途上国の開発等に関わる人達にとっての「初心」にあたる本だと思います。
国際協力に関わる人すべてに有用な本 ★★★★★
特定NPO法人ブリッジ・エーシア・ジャパンのミャンマーでの活動に加え、国際協力のあり方、国際機関とNGOとの関係について、現場に深く関わった視点から書かれている。硬直的な政府援助に対する鋭い指摘と、NGOの可能性にも触れられていて、国際協力に興味のある方、NGOに興味のある方、ミャンマーに興味のある方、将来国際機関もしくは国際協力NGOで働きたいと持っている人に有用な情報がたくさんあります。また、著者の純粋な国際協力への熱い思いが感じられる一冊です。
経験に裏打ちされたNGO重視の提言 ★★★★☆
ミャンマーは太平洋戦争中に日本軍の侵略し、インパール作戦などで大きな被害を受けた。日本では『ビルマの竪琴』のように日本側の被害ばかり注目されるが、現地調達を基本とする日本軍による現地住民の被害は甚大であった。そのため、現地住民には戦火の記憶が根強く残っている。著者達がマウンドーを訪れた時も「近いうちに日本の軍隊が入ってくるかもしれない」との噂が流れたという(75ページ)。ここにも綺麗事ではすまない国際協力の現実がある。
官僚的で硬直したODAの無駄が指摘されて久しい。開発コンサルタント・パシフィックコンサルタンツインターナショナル(PCI)によるODAの不正も発覚した。それに比べると住民参加で進めるBAJの取り組みは対照的であり、その経験に裏打ちされたNGO重視の提言には説得力がある。国際協力のあり方について考えさせられた一冊である。
偉い人がいた ★★★★★
感心。偉い人がいたもんだ。
しかし、63歳でなくなるとは、惜しいことをした。

インドネシア、ヴェトナム、ミャンマー、スリランカで活躍した国際NGOの活動報告だが、主たる活動地域はミャンマーである。

先ず彼の立ち上げたNGOはBridge Asia Japan(BAJ)。
http://www.baj-npo.org/
活躍地域はミャンマー北西部のラカイン州。ここは隣国バングラデシュと国境を接しており、同国からの難民(イスラム教徒)は不法入国者としてミャンマー国民とみなされていない(IDカードもパスポートも取得できない)。

1994年、インドネシアで活動を開始した著者は、UNHCR(国連の難民支援機関)  http://www.japanforunhcr.org/ が、ミャンマーで活動するNGOを探していると言う話を聞く。これに応えてラカイン州マウンドーを本拠地として、自動車修理、ボートの補修を開始する。そのために修理工場・技術センターを建設、1995年に完成した技術センターで帰還難民や地元青年への技術訓練を開始する。

1995年から97年に郵政省からの寄付金で、村人に大工仕事や左官仕事を教えながら、当地で初めての鉄筋コンクリート製小学校を建設。

1998年、村人の協力を得て、鉄筋コンクリート製の橋を作った。建設現場の訓練生にはわざと異なる民族を集めて民族の融和を狙った。このようにしてBAJは2008年末までに213本の橋を作った。

2001年、ラカイン州シトウェにBAJ技術訓練学校を開設、自動車整備、電気修理、溶接の3コース。従来の理論中心でなく実技に重点を置いた訓練を行った。

2004年に卒業生を調査し、その要望に応えて、学校敷地内に修理工場を作って外部からの注文を受けられるようにした。この学校は2007年に国境地域開発省に引き継いだ。それまでの5年半に485人が卒業した。

1999年には、技術センター内に女性のための裁縫技術訓練コースを開いて、地域の女性リーダー育成を狙った。イスラム教徒と仏教徒を同じクラスに入れた。このコースを卒業した女性は1800人以上。ミシンでなく、日本の小中学校で使った裁縫箱を寄付してもらい、これを使った。寄付された裁縫箱は 2700セット。
2005年から、ミャンマー人女性スタッフによる「家族の健康と情報交流コース」を開いた。

1998年、ミャンマー政府から、マンダレー管区の中央乾燥地域で井戸を掘ってくれと言う依頼が来た。そこは殆ど仏教徒で、帯水層は地下 200〜300メートルである。最初の井戸はマンダレー管区ニャンウー郡ニャントゥ村。その後9年間でBAJは100本の井戸を掘り、135本の井戸を修理した。

BAJは現在東京に1、ミャンマーに8、ヴェトナムに2、の事務所を持っている。日本人スタッフ13名、現地人スタッフ159名、計172名である。

2004年から、UNCHRの要請でカレン州、モン州の生活用水供給事業にも協力している。