“永遠の若大将”としてのパブリック・イメージが定着しているせいで、60年代の加山雄三が、日本の音楽シーンの中でいかに革新的な存在だったかという事実がこれまであまり語られてこなかったのは残念でならない。日本で初めて多重録音を行なった先駆者であり、デビュー・アルバムが全曲英語詞のオリジナル作品だった等の音楽的業績は、もっと再評価されるべきではないだろうか?
本盤は、そうした加山雄三のミュージシャンとしての志が、いまだ高い位置にあることを痛烈に印象づける快作と言っていいだろう。「オリジナルを超える完全コピー」をテーマに掲げ、すべての演奏をひとりでこなした多重録音によるセルフ・カバー集で、ミキシングまで自ら手がけるというこだわりぶり。「お嫁においで」がこんなに良い曲だったとは! 40年前のアルバム『恋は紅いバラ』を見事に再現したジャケットも素晴らしいの一言に尽きる。(木村ユタカ)
Self-Coverとはこういうものだ!
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2004年5月発売。
セルフカバーと聞いて、66年の「恋は紅いバラ」の完コピかと思ったがジャケットだけでした。加山雄三が気に入っている曲は勿論だが、当時の録音では出来上がりに少し不満のあったものをRe-Workした内容である。全ての楽器も加山自身が行っているので、よーく聞いているとタイミングのズレも多少は気になるが、見事な出来栄えである。後期になっても「ある日渚に」が取り上げられているのが嬉しい。個人的にこの曲がリメイクされているなら、興味深々で買ってしまうと思う。
声量は年齢的にも多少張りが無くなっていますが、「声」そのものがいいので彼らしく歌い上げていて見事です。「海、その愛」なんてこっちのほうがいいんじゃないでしょうか。恐れ入ったの67歳です。
海と船、スポーツと音楽、そして人生を謳歌する作品・・・
★★★★★
「永遠の若大将」こと加山雄三(弾厚作)さんが、68歳にしてまた楽しいアルバムを作ってしまいました。
もともと楽器は何でもこなす加山さんですが、今回はエレキギター、エレキベース、アコスティックギター、ウクレレ、スチールギター、ピアノ、ドラムなどに加え、口笛やバックコーラスまでを全て一人でやり通しての多重録音アルバムです。
収録曲は「白い砂の少女」「ブーメラン・ベイビー」「恋は紅いバラ」「霧雨の舗道」「夕陽は赤く」「お嫁においで」「旅人よ」「ある日渚に」「海 その愛」などのスタンダード作品が11曲。個人的には「恋は紅いバラ」と「旅人よ」「海 その愛」が良かったです。
それにしてもビックリしたのがジャケットの写真。1966年にザ・ランチャーズとして出したアルバム『恋は紅いバラ』の背景をそのまま使いながら、加山さんだけが時代を超えての登場。そして、『恋は紅いバラ』の背景との唯一の違いは、『All by Myself』には何と加山さんの船「光進丸」の姿が!
海と船、スポーツと音楽、そして人生を大いに楽しむ加山さんの生き方が伝わってくる作品集です。
1人多重録音
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何と言ってもこのアルバムの魅力は加山雄三自身がボーカル・コーラス、ギター、ベース、ピアノ、ドラムス等、全部のパートを1人で担当し録音した所です。現在流行のコンピューターミュージック、いわゆる「打ち込み」を使わないで自身で歌い、演奏した事が素晴らしい!
あの名曲「海・その愛」のギター伴奏バージョンが聴けます。ピアノバージョンとは違う味が出ていて、とても味があります。
叉、コーラスを要所にさりげなく入れてありますが隠し味?として曲を盛り上げています。
私も1人多重録音を趣味で楽しんでおります。レベルは全然違いますが非常に参考になりました!
お父さんから母へのメッセージ
★★★★☆
も
うすぐ結婚記念日父が母と一緒に歌った曲を聞いてみたくなりました
父もうまいけど加山さんの方がずっーと歌唱力があるので何回聞いても飽きないよ。
“エバーブルー”という言葉が似合う作品!
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山下達郎さんや角松敏生さんよりもずっと前に一人録音アルバムを作ってしまっていた加山さん。聴いてみると、どの曲も懐かしくもあり、でもそれなりに年期を重ねられたこともわかり、でも、やっぱりいつまでも元気だな、と思うのが全体の印象です。「旅人よ」は思わず口ずさんでしまういつまでも素敵な曲です。新曲「時を越えて」は、全体を総括するような静かなミディアム。加山さんのこととか、自分のこととかいろいろ思い出されるいい曲です。エバーグリーンというか、加山さんのような海の男にはエバーブルーという言葉がとっても似合ういいアルバムです。サザンやTUBEと並んで夏に聴きたい名盤となりそう!