高校生から親しめる身近な化学。オールカラーで見やすく、化学初心者にオススメ。
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本書は3部作(入門編、基礎編、発展編)の1作目だそうです。身近な自然現象・物質・製品に関する化学を平易に解説したもので、理系コースの高校生なら理解できるレベルだと思います。(→ 化学を選択しなかった理系学生が居たとしたら、本書を是非読むべし!) オールカラーで非常に見やすい作りになっています。採り上げられた題材も非常に身近なモノから最先端の製品まで例にあがっていますので、"化学リテラシー"に自信のない方も興味深く読めるのではないでしょうか。例えば「なぜニンジンはオレンジ色なのか?」「なぜ植物の葉は緑色なのか?」「ガス台の味噌汁が吹きこぼれると炎は何色になるか?」などの身近な事象が化学の言葉で理解できるのだ、ということが分かります。一方、Liイオン電池やトイレ洗浄剤などの日常品ネタも上手く組み込まれてます。本書の内容を理解できれば新聞で取り上げられる化学ネタも興味深く読めるようになるのではないでしょうか。時々TVで見かける『文系を自負するニュースキャスター/アナウンサー』には、このレベルの化学リテラシーはぜひ身につけてもらいたいところですね(笑)。
表紙裏に元素周期表が2種類用意されており、特に2枚目は「一家に1枚周期表」というところがニクイです(笑)。(なお、この「一家に1枚周期表」はPDFとしてダウンロードできますので、Googleしてみて下さい)
あくまでも化学入門書ですので、化学上級者(大学レベル以上)には少々物足りない内容だと思いますが、そういう方は続刊(基礎編・発展編)を待ってみましょう。ほぼ同じ内容を自然法則をより多く使ってより詳しく説明するそうです。