ぜひ、生で聴いてみたい
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今最も波に乗っているメゾ・ソプラノ、エリーナ・ガランチャがロッシーニ、ベッリーニ、ドニゼッティの三作曲家の作品に絞って発表したセカンドアルバム。
元々ベルカントオペラが好きなので、曲目がすべてベルカントの、しかもあまり知られていない作品からということで珍しさもあって購入しました。
このアルバムのおもしろい所は、ズボン役のアリアが多いということ。ドニゼッティなら『ルクレツィア・ボルジア』のオルシーニと『カレの包囲』のアウレリオ、ロッシーニでは『タンクレディ』のタイトロールと『マオメット2世』のカルボ、そしてベッリーニなら『カプレーティとモンテッキ』のロメオというように、ちょっと異色が個性的です。そして、ガランチャの声はそんな中性的な魅力があるズボン役にふさわしい、まろやかで妖しい響きがあります。特に私が好きなのは、『タンクレディ』の「多くの不安と苦しみの後で」と『カレの包囲』の「希望は甘いときめきを」です。前者はすぐに口づさめるメロディが、ガランチャの声とあいまって優美で美しい歌唱になっています。後者は、ソプラノとの二重唱になっていて女声二重唱独特の清らかで流れるような旋律が、これでもかと迫ってきてその美しさにうっとりさせられます。
そして、最後にガランチャの美しさについて…本当に綺麗な方です。舞台ではさぞかし素敵でしょう。
ぜひ、生の舞台で聴いてみたいし、見てみたい歌声と美貌の持ち主です。