やっぱり高木さん
★★★★★
うちは雑貨屋なのですが、高木さんの作品はよく「これは誰の曲ですか?」と聞かれるので、
一般的な人にもウケが良いと思います。今回のCDも期待をうらぎらない「高木正勝らしさ」を存分に堪能できましたので、
私は大満足です。文庫本もついているし。お得ですよ!
Folkloreが誘う精神世界へ
★★★★★
付属の文庫本「タイ・レイ・タイ・リオ紬記」が素晴らしい。
日本民俗学のスター,オシラサマの話に始まり,世界各国のFolkloreが集められている。
特筆すべきはその編集体系で,同様のテーマを扱った話ごとに纏められている。
学術的なアプローチなのかもしれないが,私のような鈍感な人間にも個々の話を咀嚼してもらいたい
という思いがあって,このような体裁がとられたのではと感じる。
そのおかげで,この文庫本は,自然の美しさを知り畏怖してきた人間本来の感覚を,
読む人間の意識に呼び覚ましてくれる。
それと同時に,「高木正勝の音楽」=「自然」の美しさを一層引き立たせる。
本CDには,既に発表されている曲も入っているが,全く違った聞こえ方をしてくるのは私だけでないはず。
本作を高木正勝の現時点での最高傑作と言いたい。
ハイブリットな日本の童謡
★★★★☆
彼の音は様々な民族の血が入り混じった
ハイブリットな日本の童謡なんだと思う。
本作品は彼の作品の中でも一番混沌としていてある意味で暗い。
その音は颯爽とした風のように通り過ぎていきつつも、消し難い闇がほのかに香る。
透明に澄んだ景色とほの暗い闇を内包する深い美しさをもった作品。