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王莽 (講談社文庫)

価格: ¥790
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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簒奪者・王莽を主人公にしてここまで面白い小説が書けるとは! ★★★★☆
漢王朝を中断させた簒奪者・王莽を主人公に据えた中国時代小説は本作しか思いつかない。儒教を信奉し、息子を処刑して肉親に対しても厳しい政治家として名をあげ、皇帝も平然と毒殺し、遂には自ら皇帝になって「新」を建国するものの、古礼を至上とする教条主義的な政治が失敗し、内乱の中で国だけでなく自分の命も失ったとんでもない男、という悪印象しかない。本書を読んでもその印象が大きく変わる訳ではない。しかし、(前)漢王朝の外戚として一族が栄える中で、王莽は光のあたらない立場で苦労して儒学を修め、立身出世の末、天命を失いつつあった漢王朝に替わる期待の星として庶民の支持を受けて皇帝になったのであった。では聖人君子ぶりは彼の本当の姿だったのか? 最初は改革の志があったのか? もしそうなら彼は堕落したのか? 古礼をふりかざす朝令暮改的な、人々を混乱させる政治を行ったのは自己の堕落を取り繕う偽善だったのか? 本書は王莽の内面に鋭く迫る。

外に対してはイデオロギー最優先を徹底した秀才の栄光と挫折・限界を描いて一気に読ませる本です。どこかの国の政権交代のこともつい考えてしまう。
対比が印象的 ★★★★★
「漢」を滅ぼし「新」を建て、わずか一代でその国を失った
かの有名な王莽の生涯を描き出した小説。

この作品中では他の作品では見落とされがちな彼の不遇な時代に重点を置き、
成り上がっていく過程での見事な謀略と地位を
得てからの変貌振りが激しく対比されている。

かなり分厚いが小説的脚色が濃めについているので苦も無く読める筈だ。