これはヤンキー漫画ではない。それを超えた『鬼』の物語。近頃の学園不良漫画みたいな甘いものではないです。鬼達の凶気に満ちた暴力に不思議とのめり込んでしまう魅力的な漫画です。

最近、クローズやドロップなど、様々な不良漫画が日の目を浴びていますが、
正直、自分には不良を英雄視した感じの作品があまり好きではなく、イマイチでした。

しかし･･･この“女神の鬼”は違います。
どうしようもない悪ガキ達が自分の力だけを信じ、そして互いを傷つけあい、
消えていったお話･･･という設定なので、学園No.1の不良が他校の番長と闘う･･･なんて
生易しい不良作品じゃありません。

他の不良漫画では描かれていない大人になりきれず、
どうしようもない子供達の心理を物凄く細かく描いていると思います。

そしてこの12巻では、現実の世界から場所を移し、“鎖国島”という島での戦いが始まります。
鬼は鬼同士、閉じ込めてしまえばいい･･･大人の捻じ曲がった考えと、
子供達の「王様になりたい」という捻じ曲がった欲望が絡み合い、
物語は進んでいきます。

作者の方自身、この漫画作品にはかなりの思い入れがあるようで、
かなりこだわって描いている漫画なので、絵も綺麗です。

これからの展開が楽しみです。