掲載種は多いのだが…
★★★☆☆
写真は約1000点、800種を掲載、地域は北海道限定となると、
否が応にもにも期待せざるを得ないのだが、
残念ながら、その期待に応えられるものではなかった。
まず、普通の人にキノコを「科」単位での分類別掲載は役に立つとは言い難く、
結果として、野外で見た目的のキノコにたどり着くのはなかなか難しいです。
更には詰め込みすぎたためか、掲載写真が小さく、
単純に物理的に見辛く、裏側が載っていない写真も多く、
折角種類数が多いのに、種の同定に使用するのは些か難しく、
残念ながら実用度は低いと言わざるを得ません。
また、上述の理由により、説明も全般に簡素、
同定に使用できず、読み物としても成立しないとなると、
図鑑としての評価は辛い物にならざるを得ません。
せめてハンディタイプにせず、
もう少し大きい版にして見やすいことに重点を置いてくれれば、
実用性のある充実した内容になったと思うのですが、
現状では専門家のキノコの写真集と言わざるを得ません。
五十嵐先生の集大成
★★★★☆
昨年、中毒を起こしたという「スギヒラタケ」のことも、ちゃんと記載されています。
北海道のキノコの権威、北大名誉教授の五十嵐先生の集大成本だと思います。私自身、個人的にアマチュアきのこ観察会に参加して、実際の五十嵐先生にもお会いしたことがありますが、とても温厚で人柄も良の先生です。種類によっては結構面白い解説文を書かれています。
『北海道』ということを前提にした図鑑なのですが、掲載されている種類が多いので、その他の地域の方でも十分参考になると思います。今までの図鑑にはあまりなかった、発生月のチャートが記載されてるのは非常に評価できると思います。
ただ、1種につきほんとんどが写真1枚なので、初心者ににはこれ1冊だと難しいような気がします。分類も科毎なので、ある程度キノコに関して知識のある方には、ライブリーの1冊として、有意義に使うことができると思いが、種類が多い分、1種類の解説文も短いので初心者にはちょっと難しいかもしれませんね。なので★4つです。
ですが、本の大きさがコンパクトなわりに載っている種類が多いので、野外での観察会等に持ち歩くには良いと思います。私個人としては久しぶりの北海道きのこ図鑑なので★5つです。